研究概要 |
「正常な骨格筋機能の維持には神経支配が必要である」との仮説のもとに、正常骨格筋と除神経骨格筋の間で差異発現遺伝子の検討を進めている。本年度は、昨年度に引き続き以下の研究を行った。 (1)Virtual northern blot クローン化した個々の差異発現遺伝子を増幅、精製し、非放射性標識しプロープとした。正常筋、除神経筋の全RNAより得たcDNAを増幅,ゲル電気泳動後変性条件でナイロン膜に転写した。現在、前述のプローブとハイブリダイゼーションさせ化学発光法で検出を試みている。 (2)DNAチツプ解析 ラットの除神経操作後1,2,3,4,7日、2,4,8週後,骨格筋をよりRNA抽出、標識しプローブとした。昨年度作成したDNAチップとハイブリダイズさせるべく、現在反応条件の検討中である。 (3)昨年度までにマイクロビーズアレー技術を応用し、分離された遺伝子の分類 昨年度までに正常骨格筋と除神経骨格筋の間で差異発現する約100個の遺伝子を分離した。これらの遺伝子のアノテーションから、分類を試みた。これにより、差異発現する遺伝子の機能的特徴について検討した。この結果、除神経筋ではheat shock protein 27,proteasome 26S subunit ATPase, alpha B clystallin等タンパク質の品質管理に関係する分子シャペロンが高発現していた。一方、除神経筋で低発現していたのはphosphoglycerate mutase, beta enolase, glycerol-3-phsophate dehydrogenaseなど、正常な骨格筋での代謝に関係する遺伝子が多かった。
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