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2003 年度 実績報告書

脳由来神経栄養因子の産生誘導による神経細胞新生促進のこころみ

研究課題

研究課題/領域番号 14570628
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

仙波 りつ子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (80100163)

キーワード脳由来神経栄養因子 / 神経前駆細胞 / 細胞分裂 / リルゾール / 海馬 / アルツハイマー病
研究概要

リルゾールは海馬における脳由来神経栄養因子の強力な合成促進剤であり、海馬顆粒細胞の前駆細胞の分裂も促進した。しかしながら、リルゾールには副作用のあることも報告されている。そこで、本年度は、創薬を念頭に置き、リルゾールにかわる脳由来神経栄養因子の合成促進剤を探すため、リルゾールにより活性化される細胞内シグナル伝達系路を調べた。ERK1/2、p38 MAPキナーゼおよびAktを中心に検討を行い、以下のことが判明した。
(1)リルゾールによってp38 MAPキナーゼのリン酸化が有意に、ERK1のリン酸化がわずかに上昇したが、Aktのリン酸化はまったく変動しなかった。
(2)p38 MAPキナーゼの阻害剤であるSB203580はキナーゼのリン酸化を阻害し、リルゾールによる脳由来神経栄養因子レベルの上昇を阻害した。一方、p38 MAPキナーゼの活性化剤は、キナーゼのリン酸化を促進し脳由来神経栄養因子のレベルを上昇させた。
(3)海馬の脳由来神経栄養因子レベルを上昇させる他の薬物、グルタミン酸アゴニスト(AMPA)、アデノシン受容体のアンタゴニスト(DPX)やメタボトロピックグルタミン酸受容体のアゴニスト(DCG VI)でもp38 MAPキナーゼおよびERK1のリン酸化が上昇した。
以上の結果から、海馬における脳由来神経栄養因子の合成促進には、p38 MAPキナーゼおよびERK1の活性化が必要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Katoh-Semba et al.: "NT-4 protein is localized in neuronal cells in the brain stem as well as the dorsal root ganglion of embryonic and adult rats."Journal of Neurochemistry. 86. 660-668 (2003)

  • [文献書誌] Sadakata et al.: "The secretory granule associated protein CAPS2 regulates neurotrophin release and cell survival."The Journal of Neuroscience. 24. 43-52 (2004)

  • [文献書誌] Hanamura et al.: "BDNF and NT-3 promote thalamocortical axon growth with distinct substrate and temporal dependency."European Journal of Neuroscience. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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