研究課題/領域番号 |
14570636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
横山 知行 群馬大学, 医学部, 教授 (70312890)
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研究分担者 |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 腫瘍壊死因子 / 転写因子 / アンジオテンシンII / リポポリサッカライド / プロモーター / エンドセリン-1 |
研究概要 |
(1)TNF産生にかかわる細胞内情報伝達系および転写因子の検討 LPS刺激では転写因子のSp1およびSp3がTNFαmRNA遺伝子のプロモーターのSp1結合部位に結合することが明らかになった。一方、アンジオテンシンII刺激ではATF2とcjunがプロモーターのCRE結合部位に結合してDNA-蛋白複合体を作るが、EtsおよびκB3結合部位は重要でないことが明らかになった。さらに、Sp1およびCRE結合部位にそれぞれ変異を導入し、LPSおよびアンジオテンシンII刺激によるTNFαmRNA遺伝子のプロモーター活性を測定したところ、LPS刺激においてはSp1結合部位が、アンジオテンシンII刺激ではCRE結合部位が機能的にもプロモーターの活性化に重要であることが裏付けられた。以上より、LPS刺激を主体とする感染症とレニン-アンジオテンシン系の活性化を主体とする心不全あるいは心肥大においては、心臓におけるTNF産生機序が異なると推察された。 (2)ヒト末梢単核球を用いたTNF産生調節機構の検討 ヒトの末梢血より採取、分離した単核球を用いた実験ではエンドセリン-1刺激により、時間および濃度依存性にTNFαmRNAの発現が亢進することが明らかになった。この結果、心肥大や心不全においてはエンドセリン-1による免疫担当細胞の活性化が病態の進展に関与することが示唆された。 今後は、これらのTNF産生にかかわる細胞内情報伝達系および転写因子とTNF産生を抑制する因子との関係を明らかにし、心臓でのTNF産生を選択的に抑制する薬剤の同定を行いたい。
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