研究課題/領域番号 |
14570643
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金子 英司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (10302853)
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研究分担者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
下門 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30192115)
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キーワード | 動脈硬化 / 不安定プラーク / 磁気共鳴画像 / MRI / ガドリニウム / 造影剤 / 高分子共重合体 / ブロックコポリマー |
研究概要 |
本研究の目的は急性心筋梗塞などの直接の原因となる動脈硬化巣の不安定化を非侵襲的に画像上で診断するために、血液中滞留時間が長い高分子共重合体を利用して、不安定化した動脈硬化部位にのみ集積する磁気共鳴画像診断(MRI)用造影剤を開発し、その有用性を評価することである。平成14年度の研究実績は下記の通りである。 1.ガドリニウムを含む高分子共重合体の作製 MRI用のガドリニウム造影剤を改良する目的で、ブロック共重合体ミセルへのガドリニウムの導入を試みている。しかし、ガドリニウムは金属錯体であるため極めて水溶性が高く、ミセル形成の最終段階がまだ克服されていない。現在も種々の条件下で実験を施行中である。さらに、鉄を用いたブロック共重合体の開発にも着手し、これに関しては試作品が作成され、現在その分析に当たっている。 2.高分子共重合体の生体内分布の検討 in vitroの実験としてガドリニウムをろ紙およびラット血管標本の上に塗布し、日本原子力研究所にて中性子線照射後のオートラジオグラムを検討した。またin vivoの実験としてはマグネビストをラット腹腔内に投与し、脳の4.7T MRIでのT1短縮効果を確認した。ラット肝臓のMRIに関しては、呼吸性の動きがあることが分かり、MRIによる観察部位として望ましくないことが確認された。造影剤を腫瘍の診断に応用することを考え、ヌードマウスへの腫瘍の導入を開始した。今後、腫瘍に対する各種造影剤の造影効果も検討していく予定である。 3.ラット頚動脈の動脈硬化モデルのMRI診断技術の開発 ラット頚動脈にFogartyバルーンを用いて血管傷害を与え、動脈硬化巣を作成して、4.7T MRI装置にて撮影条件を検討している。空間分解能の関係から、ラット頸動脈のMRI画像の精度はまだ十分ではなく、さらに新たな撮影条件を検討中である。
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