研究課題/領域番号 |
14570644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (90313858)
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研究分担者 |
天野 純 信州大学, 医学部外科学, 教授 (20138283)
磯部 光章 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80176263)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 炎症 / 遺伝子治療 / nuclear factor-kappa B / 平滑筋細胞 / 冠動脈形成術 / 再狭窄 |
研究概要 |
背景 冠動脈におけるインターベンシヨン治療は冠動脈疾患に有効な治療法であるが治療後に再狭窄を来たし、有効な対処法が未だ確立されていない。本研究は炎症という側面からその原因を明らかにして新しい治療法を開発することが目的である。 方法と結果 冠動脈におけるインターベンシヨン治療は冠動脈疾患に有効な治療法であるが治療後に再狭窄を来たし、有効な対処法が未だ確立されていない。本研究は炎症という側面からその原因を明らかにして新しい治療法を開発することが目的である。 方法と結果 マウス動脈ワイヤー傷害モデルにおいては、抗VCAM-1抗体投与により内膜肥厚進展を抑制した。また、TNF受容体欠損マウスを用いた検討では、ドナー心に受容体のタイプ1とタィプ2が同時に欠損した場合に血管病変の進展が抑制された。ICOSIgを用いた実験ではラツト心筋炎モデルでその炎症進展抑制効果が確認され、マウス心臓移植にて免疫寛容が誘導された。心筋梗塞モデルにおいてセレクチン分子の接着能を阻害する化合物により炎症が抑制され、傷害範囲と心機能障害が改善した。遺伝子治療としてEgr-1に対するアンチセンスまたはMMPに対するリボザイムを導入したところ、多くの増殖因子や接着分子を阻害することにより移植心血管病変の進展を著明に抑制した。さらに、我々はNFκBデコイの臨床における効果を確認した。第1例目は右冠動脈に2個同時にステント植え込み、一方にデコイを導入して他方には導入しなかった症例であった。この例の半年後の血管内超音波では、デコイ導入部分のほうが導入しなかった部分より新生内膜の増殖が抑制されている所見であった。 結論 再狭窄の分子生物学的機序には、炎症に関連する多くの因子が関与しており、遺伝子治療によって平滑筋細胞増殖は抑制できることが示唆された。
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