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2003 年度 実績報告書

カルニチン代謝異常と心筋の脂質系シグナル伝達機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14570655
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 健二  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40262901)

研究分担者 今井 元  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
小川 恭弘  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
松井 英夫  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (00324434)
キーワード心肥大 / エネルギー産生障害 / カルニチン欠損症 / ジアシルグリセロール / 脂肪酸組成
研究概要

心筋の脂肪酸酸化障害を含むエネルギー産生障害により、心肥大が誘発されるが、その正確な機序はほとんど明らかにされていない。そこで脂肪酸酸化障害によるJVSマウスの心肥大と、カルニチンの心筋内流入を阻害する薬剤、carnitine-palmitoyltransferase I阻害剤であるetomoxirの投与による心肥大を検討した。心体重比は8週齢でコントロール群と比較して、JVS群で2.5倍、etomoxir群で1.3倍と増加していた。4週令のJVS群において、すでに心筋の1,2-diacylglycerol(以下DAG)量はコントロール群と比べ増加傾向にあった。8週令にてJVS、etomoxir群にて著明に増加していたが、カルニチンにより肥大を抑制できたJVS群と比べ有意に減少していた。ceramide量に関しては変化認められなかった。心筋内DAGの脂肪酸分画はJVS群では4、8週令での脂肪酸組成に相違はなく、18:1(n-9)、18:2(n-6)の著明な増加を認めた。etomoxir群でも同じ脂肪酸組成パターンを示した。他の脂質の脂肪酸組成をDAGと比べるとJVS群においてphosphatidylcholine(以下PC)とDAGの脂肪酸組成パターンはよく似ていたが、phosphatidylinositol(以下PI)においては18:1(n-9)、18:2(n-6)の増加は認めるものの、その脂肪酸組成パターンにはばらつきがあった。trigricerideに関してはほとんど相同性を認めなかつた。上昇した1,2-DAGはその脂肪酸組成からPC由来が主と考えられるが、PI由来も関与する可能性が示唆された。以上より、今回の遺伝的に生じた心肥大モデル(JVS)、薬理学的に作られた心肥大モデル(etomoxir-treated mice)の両方のβ酸化障害モデルにおいて、PKCの活性化物質である1,2-DAGの量は増加し、さらにその脂肪酸組成も変化し、その中でもシグナルとして考えられている脂肪酸、一価不飽和脂肪酸である18:1(n-9)、多価不飽和脂肪酸である18:2(n-6)の有意な上昇が認められた。従って、1,2-DAGの量、及びその脂肪酸組成の変化は心肥大のシグナルとして重要と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takahashi R, et al.: "Impact of α-tocophenol on cardiac hypertrophy due to energy metabolism disorder"Cardiovascular Research. 58. 565-574 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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