研究課題/領域番号 |
14570661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平岡 久豊 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00273681)
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研究分担者 |
石神 眞人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
平野 賢一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30332737)
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243242)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | NOS / Atherosclerosis / Nuclear Receptors / CD36 / Genetic Background |
研究概要 |
スカベンジャー受容体クラスBに属するCd36は、分子量約88キロダルトンの膜2回貫通型糖タンパクで、酸化LDLや長鎖脂肪酸などをそのリガンドとする。我々は、ヒトCD36欠損症を発見しその病態を明らかにしてきた。本研究では、以下の結果を得た。 1)正常者由来マクロファージでは、酸化LDL添加によってIL-1bやTNF-aなどの炎症性サイトカインの分泌が増加するが、CD36欠損症マクロファージでは、その反応が欠損していた。これは、核内転写因子であるNF-kBを介したものであることを明らかにした。 2)CD36とInducible NOSの関連について以下の検討を行った。正常者マクロファージにおいては、IFNγ,LPS刺激によりInducible NOSの増加が生じるが、これがCD36の主要なリガンドの一つである酸化LDLによって抑制された。一方、CD36欠損症患者由来マクロファージでは、この酸化LDLによる抑制が生じないことを見出した。 3)我々は、最近CD36欠損症がインスリン抵抗性(Lancet. 2001)、長鎖脂肪酸代謝障害(J Nucl Med. 2000)を有することを発見、報告した。本症8例について検討した結果、中高年の5例においては、空腹時におけるアポB48濃度の増加、脂肪,負荷試験においてピークの高値、遷延を認めた。一方、若年の2例においては、インスリン抵抗性は認めるもののアポB48の濃度は対象と差を認めなかった。 以上より、CD36は、粥状動脈硬化発症において重要な役割を果たしていると考えられる。
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