研究課題/領域番号 |
14570663
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷口 隆弘 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20263379)
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研究分担者 |
川嶋 成乃亮 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10177678)
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / 細胞分化 / 再狭窄 / 遺伝子治療 / 血管リモデリング / ステント |
研究概要 |
1. 本研究では血管形成術後の再狭窄などの血管リモデリングにおける平滑筋細胞の役割を調べ、再狭窄予防のための治療法開発のための研究を行った。細胞内シグナル伝達においてアポトーシス抑制や細胞増殖、糖代謝等において重要な役割を果たしているセリン・スレオニンキナーゼのAktは平滑筋細胞の形質変換や細胞増殖を制御している。血管形成術後に平滑筋で発現するミオシン重鎖はSM1およびSM2と呼ばれる平滑筋に特異的ミオシン重鎖から胎児型平滑筋のSMembに変化する。Aktはこれらの平滑筋細胞の分化を制御しておりConstitutive active Akt(Adeno-myr Akt)およびdominant negative Akt(Adeno-dnAkt)を用いた実験ではAdeno-myr Aktを平滑筋細胞に発現させるとより分化した平滑筋細胞(SM1,SM2を多く発現する細胞)へと形質変換することが明らかとなった。これとは逆にAdeno-dnAktを発現させるとSMembを多く発現する脱分化した平滑筋細胞に形質転換した。これらの実験をふまえ、平滑筋細胞に遺伝子導入するために、臨床で血管形成術に用いるバルーンを用い、ウサギ腸骨動脈にポリウレタンでcoatingしたステントを留置した。あらかじめポリウレタンに目的とする遺伝子のプラスミドを混入することにより血管平滑筋細胞へ目的遺伝子を導入した。βガラクトシダーゼ、GFP、ルシフェラーゼの3種類のレポーター遺伝子を用いた実験ではこの実験系において良好なプラスミド遺伝子導入効率が得られた。
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