研究課題/領域番号 |
14570667
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研究機関 | 香川大学(医学部) |
研究代表者 |
大森 浩二 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (00263913)
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研究分担者 |
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (70263910)
水重 克文 香川大学, 医学部, 助教授 (90166009)
河野 雅和 香川大学, 医学部, 教授 (20153489)
高木 雄一郎 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20346646)
雪入 一志 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (30346647)
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キーワード | 微小気泡 / 超音波 / 連続波ドプラ / クロストーク / 生体反応 / 炎症 / 左冠動脈主幹部 / 心筋コントラストエコー |
研究概要 |
平成15年度には、麻酔犬を用いて本法を検証した。第一の超音波照射には、SONOS5500(フィリップス)、S12探触子(5-12MHz)を用い、大動脈基部レベルで、左冠動脈起始部の長軸像を描出し、左冠動脈に流入した微小気泡の選択的破壊を行った(破壊照射)。第二の装置はEUB-6500(日立メディコ)で、S50探触子(2-4MHz)、描画モードはパルスインバージョン法に基づく低音圧リアルタイム法を用いた。評価用画像はビデオ録画し、左室前壁(短軸像)心室中隔(長軸像)と後壁の収縮末期における輝度をオフライン計測した。微小気泡は、BR1(Bracco社)1mlを末梢静脈から緩徐ボーラス投与した。次の結果を得た。大動脈短軸像と、傍胸骨像に相当する左室短軸・長軸像をそれぞれの装置で同時に描出し得た。ただし、破壊照射を通常の断層法で行うと、超音波干渉により画像に著しい乱れを生じた。そこで、破壊照射に静止断層像上で漣続波ドプラ法(TIS=0.5)を用いたところ、評価用画像には一切の乱れを生じず、左室短軸、長軸像ともに均一な左室壁の染影が得られた。左室短軸像では、破壊照射オフ時の輝度(気泡投与前値からの増加分)は前壁で26(任意単位)、後壁15で、前壁/後壁比は1.7であった。破壊照射オンでは、前壁で5、後壁31で、前壁/後壁比は0.2となり、また、長軸像では、破壊照射オフ時の輝度は中隔で34、後壁21で、中隔/後壁比は1.6であったが、破壊照射オンでは中隔で26、後壁34で、中隔後壁比は0.8となり、いずれも左冠動脈領域の輝度が低下した。以上より、左冠動脈流入直後の微小気泡を選択的に破壊し、右冠動脈領域を選択的に染影できる可能性が示された。また、微小気泡・超音波への生体反応という観点から、本研究から派生した研究として、白血球の振る舞いを中心に、炎症の画像化などの可能性が示された。
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