研究課題/領域番号 |
14570667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 香川大学(医学部) |
研究代表者 |
大森 浩二 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (00263913)
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研究分担者 |
河野 雅和 香川大学, 医学部, 教授 (20153489)
水重 克文 香川大学, 医学部, 助教授 (90166009)
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (70263910)
雪入 一志 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (30346647)
高木 雄一郎 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20346646)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 微小気泡 / 超音波 / 連続波ドプラ法 / クロストーク / 毛細血管 / 微小出血 / 血管新生 / 白血球 |
研究概要 |
先ず、流路モデルを用いた基礎的検討により、殻の脆弱性と本法を適用できる血流の速度に関連があることを明らかにした。すなわち、血流速度の大きい冠動脈起始部に選択的に超音波を照射して気泡を効率的に崩壊させるためには、殻の脆弱な気泡が望ましい反面、速度の低い心筋壁の灌流の評価には、殻に一定の強度が必要であることが分かった。 次いで、臨床例では、複数領域の染影が1断面内に同時に得られる症例は限られており、関心領域を個別に描出することによってその定量解析が可能となり、冠動脈狭窄の診断が可能であった。 さらに、麻酔非開胸犬において、大動脈基部レベルで、左冠動脈起始部(LMT)の長軸像を描出し、LMTに流入した微小気泡(BR1)の選択的破壊を行った。同時に、別の装置により、低音圧リアルタイム法で傍胸骨像左室短軸・長軸像を描出した。その際、破壊照射に連続波ドプラ法を用いれば、クロストークを回避でき、左室短軸、長軸像ともに均一な左室壁染影が得られた。左室短軸像では、非破壊時の染影強度の前壁/後壁比は1.7であったが、破壊時には、それが0.2となり、また、長軸像では、中隔/後壁比がそれぞれ1.6、0.8となり、いずれも破壊照射時に左冠動脈領域の輝度が低下した。以上より、LMTの微小気泡を選択的に破壊すれば右冠動脈領域を選択的に染影できる可能性が示された。一方、装置の小型化の必要性や、バイパス起始部など心臓から遠隔部での照射によるバイパス機能評価への応用の可能性が示唆された。 また、安全性の検討に際し、超音波による微小気泡の破壊により毛細血管が破裂(微小出血)し、炎症が惹起されること、誘導された白血球が血管成長因子を放出すること、さらに微小気泡と白血球は相互作用(接着と貧食)することが明らかになった。これらの現象の意義を追求することにより、血管新生療法、炎症の画像化法に関する成果が得られた。
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