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2002 年度 実績報告書

ヒト血液単核球由来血管平滑筋様細胞の動脈硬化・血管新生における役割の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14570679
研究機関熊本大学

研究代表者

杉山 正悟  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90274711)

キーワード動脈硬化症 / 血球細胞 / 骨髄細胞 / 血管平滑筋 / 炎症 / 前駆細胞 / 表面抗原 / ヒト
研究概要

(1)ヒト末梢血液単核球からの平滑筋様細胞前駆細胞の分離・培養法の確立とそのphenotype解析
献血の際に得られるbuffy coatを用いてこれから遠心分離により単核球分画(PBMC)を分離し、更に密度勾配によってd<1.072のLow-density PBMCを再分離した。これまでの研究によって、血球由来-血管平滑筋様細胞はこのLow-density PBMC分画から生じることが明らかとなっており、この分画の中に血球由来-血管平滑筋様細胞の前駆細胞が末梢単核球として存在する可能性が示された。ここで、血管平滑筋の基本的マーカーであるα-smooth muscle actin(α-SMA)の発現を末梢単核球にて検討したところ、Low-density PBMC分画にα-SMAの有意な発現を認めた。Low-density PBMC分画におけるα-SMA発現細胞を検討するために、FACSを用いてCD表面抗原とα-SMAに対する抗体を用いた2重染色で検討したところ、α-SMA陽性末梢単核球は、CD3(-),CD34(-),CD13(+),CD14(+),CD45(+),CD105(+)であった。そこでα-SMA陽性末梢単核細胞をFACSV antageにてCD14-CD105 double positiveとしてsortingし分離培養した。この結果、血管平滑筋様細胞はCD14-CD105 double positive細胞のから培養に成功した。よって、これらの検討によりヒト末梢血に存在する血球由来-血管平滑筋前駆細胞の表面マーカーはCD14-CD105 double positiveと明らかとなり特異的に分離培養する方法が確立できたと考えられた。この血球由来-血管平滑筋様細胞のphenotypeを検討するためにRT-PCRにより炎症性遺伝子の発現を検討したところ、血球由来-血管平滑筋様細胞は、ヒト大動脈中膜由来血管平滑筋細胞に比して炎症性分子の発現が亢進していることが認められた。
(2)ヒト末梢血液単核球由来平滑筋様細胞前駆細胞のヒト冠動脈疾患、血管疾患に於ける役割の解析
冠動脈疾患患者と健常者(動脈硬化所見を認めない患者)において末梢血液を採血しその単核球分画(PBMC)を分離し、in vitroにて培養し出現する血管平滑筋様細胞の割合を検討したところ、冠動脈疾患患者において多く出現することが確認された。また、末梢血液単核球分画中のCD14-CD105 double positive細胞数を直接比較検討したところ冠動脈疾患患者における有意な増加が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shin-ichi Nakamura, Kiyotaka Kugiyama, Seigo Sugiyama, et al.: "Polymorphism in the 5'-Franking Resion of Human Glutamate-Cystein Ligase Modifier Subunit Gene Is Associated With Myocardial Infarction"Circulation. 105. 2968-2973 (2002)

  • [文献書誌] Shun-ichi Koide, Kiyotaka Kugiyama, Seigo Sugiyama, et al.: "Association of Polymorphism in Glutamate-Cysteine Ligase Catalytic Subunit Gene With Coronary Vasomotor Dysfunction and Myocardial Infarction"Journal of the American College of Cardiology. 41. 539-545 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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