研究概要 |
本年度は、アフリカツメガエル卵母細胞(Xenopus oocyte)発現系を用いた電流計測を行った。すでに報告したとおり、Ca^<2+>チャネルcRNAとPoly(A)^+RNAの注入により、卵母細胞においてisoproterenolによるβ_2受容体刺激がwhole cell Ba^<2+>電流を増加させることを確認しているので、この現象がβ_2受容体-Ca^<2+>チャネル間で特異的・局所的に起こっている反応を含むものであるか否かを調べる目的で、cell attached modeで単一チャネル電流計測を試みた。濾胞膜除去を行った卵母細胞では単一チャネル電流計測が行えたが、ピペット内へのリガンド投与を行うと、ノイズ電流の極端な増加があり、局所電流の増加があるか否か、未だ確認できていない。 さらに、別の異種蛋白発現系として、baby hamster kidney cell(BHK cell)を用い、vector DNAによる遺伝子導入を用いて、細胞内環境に依存しない受容体-チャネル間作用が存在するか否かを検討した。Ca^<2+>チャネル、α_2、βサブユニットをstable expressionしているBHK cell(BHK6)とtransfection vector(J Biol Chem,273:34857-34867)を用い、市販transfection kit(Lipofectamine Plus, Gibco)を用いて遺伝子導入を行い、膜電流の計測を行った。この実験系では、whole cell clamp法での、膜電流記録はほぼ安定して行えるようになったが、リガンドに対する反応にばらつきがあり、増加反応が再現できるか否か、実験数を増やしている段階である。
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