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2002 年度 実績報告書

ストレス蛋白質誘導を介した女性ホルモンおよび類似薬の心筋保護効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14570702
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

西田 昌司  神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (40283783)

研究分担者 宮本 恭子  神戸女学院大学, 人間科学部, 助手
豊福 利彦  大阪大学, 大学院・医学研究科・病態情報内科, 講師 (60322179)
キーワードエストロゲン / 心筋細胞 / 過酸化水素 / 細胞障害
研究概要

心疾患の病態形成における男女差が注目されている。虚血性心疾患に関しては、エストロゲンの血管壁細胞への作用(抗動脈硬化作用)が詳細に検討され、発症予防の観点から男女差が解析されている。一方、心筋障害の進展に関しても検討がなされ、急性心筋梗塞発症後の予後に関する性差の報告が認められる。しかし冠循環を介さない心臓に対する性差の直接的な影響に関しては未だ十分な解析が行われていない。本研究では、エストロゲンの心筋細胞への効果を検討した。
1.C57Black6マウスより心筋細胞を単離培養し、過酸化水素負荷による細胞障害を検討した。単離後、細胞形態よりロッド型の正常細胞として同定した均一な培養細胞を用いて過酸化水素負荷を加えても、細胞培養のバッチ間でコントロールの細胞障害の程度に大きな誤差が認められた。単離操作による細胞障害を均一にする工夫を種々試みているが、現在のところ負荷による均一な障害モデルを作成するにいたっていない。
2.心筋に分化する細胞のモデルとしてP19CL6細胞を用い、DMSO添加培養による自律拍動の開始を指標として、心筋細胞の過酸化水素負荷モデルを作成した。過酸化水素の負荷量、負荷時間に応じたLDH遊出が認められた。エストロゲンで前処理することにより、過酸化水素負荷によるLDH遊出が軽減した。
3.エストロゲン添加による心筋の過酸化水素負荷に対する耐性のメカニズムを検討するため、細胞内の抗酸化酵素Mn-SOD発現をウエスタンブロットにて定量すると、エストロゲン添加24時間後にMn-SOD蛋白質量の増加が認められた。一方、エストロゲン添加直後に過酸化水素を負荷すると、DCFHにより観察した細胞内過酸化水素濃度がエストロゲン非添加群に比して減少した。
以上の結果より、エストロゲンはgenomic actionを介したMn-SOD誘導、ならびにnon-genomic actionである過酸化水素消去の二つの機構により心筋細胞を細胞障害より防御している可能性が示唆される。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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