研究課題/領域番号 |
14570707
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
杉町 勝 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (40250261)
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研究分担者 |
上村 和紀 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (10344350)
稲垣 正司 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (80359273)
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キーワード | コンダクタンスカテーテル / 不均一電場分布 / 偏微分方程式 / 有限要素法 / ソフトウェア復調 |
研究概要 |
1.単純な形状の心室および胸郭モデルを用いて、カテーテル両端からの通電に対して、心室内腔、心筋・心筋周囲組織に対してどのように電流が流れ分布するのか(不均一な電流分布)を理論解析および数値解析で明らかにした。 1)問題の定式化 心室内の電流分布の問題は、以下のような単純な編微分方程式で記述できる。 電極以外:Vxx+Vyy+Vzz=0 心内膜における境界条件:Vn=0 電極での境界条件:V=±V0 (V電圧の空間分布、Vn : Vの心内膜法線方向に関する偏微分、Vxx・Vyy・Vzz:Vの各々x・y・z方向に関する2階微分、V0;電極両端にかける電圧) 当面カテーテルを軸対称とする心室形状を扱うのでカテーテルの方向をz軸として円筒座標に変数変換すると、Vrr+(1/r)Vr+Vzz=0、さらにt=log(r)と置くことにより、exp(-2t)Vtt+Vzz=0という方程式に変換できる。このことから数値解析の際にもカテーテルからの距離の対数値が等間隔となる離散化によって効率的に解析できると考えられた。 2)電極形状の与える影響の検討(数値解析) 数値解析により電極形状(点状、線状)がその周囲の電流分布に与える影響を数値的に解析した。電極間距離1mm、線上電極長1mmでの検討では電束の90%が含まれる半径は各々10mm、20mmであり電極形状によって大きく影響されることが明らかになった。 2.従来のように特別なハードウェアを用いずに、コンピュータおよびアナログ入出力装置のみで交流電流の発生からRMS値測定までをおこない直接に心室容積を算定するコンピュータのアルゴリズムを開発した。交流電流をソフトウェアで発生し、その周期と同期したデータを標本化することによりデータの加減算のみで2つの周波数のRMS値を計算するアルゴリズムを開発し、実験的にその動作を確認した。
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