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2003 年度 実績報告書

細胞骨格系蛋白質異常に基づく心筋症発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14570708
研究機関国立循環器病センター研究所

研究代表者

岩田 裕子  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (80171908)

研究分担者 片野坂 友紀  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 日本学術振興会特別研究員
キーワード心筋症 / ストレッチ活性化チャネル / 筋変性 / 筋ジストロフィー
研究概要

伸展刺激受容チャネル(stretch activated channel SA-チャネル)の候補遺伝子の1つを心筋からクローニングすることに成功した(J Cell Biol.161 957-967,2003)。電気生理学的解析によりこのチャネルは伸展刺激、浸透圧に反応して活性化される非選択的カチオンチャネルであることが判明した(Circ.Res.93 829-838 2003)。
抗体を作成して病的心筋におけるこの蛋白質の発現異常、心筋症ハムスター筋細胞およびこのチャネル蛋白を強制発現した細胞でのカルシウム動態異常、トランスジェニックマウスにおける心筋症病変の発症の有無等の検討よりこのチャネル蛋白質が病態的に重要である可能性が強く示唆された。正常筋細胞では、ジストロフィン複合体をはじめとした細胞骨格系蛋白質により機械的刺激などに対して細胞膜が強化されており、その場合このチャネルは細胞の中にある。刺激により、チャネルは細胞膜へ局在変化し、Ca^<2+>流入に寄与するがCa^<2+>が排出系により排出され細胞内Ca^<2+>濃度が下がるとチャネルもまた細胞の中にひっこむ。その結果、細胞内Ca^<2+>代謝は正常に保たれているが、細胞骨格系に異常を持つ病態筋では、細胞膜にチャネルが局在しておりこのチャネルを介するCa^<2+>流入のため常に細胞内Ca^<2+>濃度が高い状態になっている。刺激でCa^<2+>流入がさらに上昇し、ひきつづき排出系によるCa^<2+>濃度調節ができなると筋細胞変性を引き起こすという筋変性メカニズムが考えられた。現在SA-チャネルの病態での役割解析を個体レベルでおこなっている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 岩田 裕子: "Ca2+ permeableカチオンチャネルと心筋症"ゲノム医学. 4巻1号. 35-43 (2004)

  • [文献書誌] 岩田 裕子: "ジストロフロィン・サルコグリカンと心筋症"Heart View. 7(12)増刊号. 190-195 (2003)

  • [文献書誌] 岩田 裕子: "伸展刺激と心筋症"血管医学. 第4巻. 283-290 (2003)

  • [文献書誌] 岩田 裕子: "A novel mechanism of myocyte degeneraion involving the Ca2+-permeable growth factor-regulated channel."J.Cell.Biol.. 161. 957-967 (2003)

  • [文献書誌] 岩田 裕子: "TRPV2 is a component of osmotically sensitive cation channels in murine aortic myocytes"Circ.Res.. 93. 829-838 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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