研究課題/領域番号 |
14570711
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田島 敏広 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50333597)
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研究分担者 |
岡田 尚史 自治医科大学, 医学部, 助手 (00326828)
有賀 正 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (60322806)
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キーワード | 先天性副腎過形成 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / 視床下部 / 下垂体 |
研究概要 |
(1)アデノウイルスベクターヒトCYP21遺伝子の生体マウスへの投与 21-水酸化酵素欠損マウスのなかで生存したマウスに対してアデノウイルスベクターヒトCYP21遺伝子を副腎内への直接の注射によって投与した。 副腎内への投与によって、CYP21遺伝子のmRNAの発現を一過性に認めた。その発現は投与後約2-3週間後までであった。 マウスより血漿を得て、マウスの主なステロイドホルモンであるコルチコステロンの測定を行った。この結果では血漿コルチコステロンの上昇は副腎内投与後約4日ごろより起こり、約1〜2月継続した。また実際の酵素活性については副腎を摘出し、培養、コルチコステロンの基質でプレグネノロンを培地に転化し、プレグネノロンからコルチコステロンへの変換を指標に検討した。この結果でも酵素活性の持続は約1月であった (2)ウイルスベクター投与後の下垂体POMC mRNAの変化 ウイルスベクター投与後に血漿コルチコステロンの上昇が得られた場合、視床下部-下垂体-副腎(HPA-axis)のフィードバックシステムの正常化が期待される。今回のウイルスベクター投与後3週間のマウスでの検討では、欠損マウスのPOMC mRNAレベルと変化なく、野生型に比べ、下垂体POMCレベルは4倍と上昇したままであった。このことはHPA-axisを正常化するまでの十分な血漿コルチコステロンの上昇が起こっていないことによる可能性が高い。しかし胎生期のHAP-axisの活性化がおこり、HPA-axisの閾値そのものが変化している可能性も示唆しており、今後の検討が必要である。
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