研究概要 |
Charcot-Marie-Tooth (CMT)病の症例のうち,17p11.2遺伝子重複のない症例(161例)に対してPMP22,Po, Cx32遺伝子変異をスクリーニングした.Denaturing Gradient Gel Electrophoresis (DGGE)を用いたスクリーニング法を確立し検索し,PMP22変異4例,Po変異9例,Cx32変異9例を確認し報告した. CMT病1型に関しては,私達が過去に検索したものを含め集計すると128例あり,17p11.2遺伝子重複40症例,PMP22変異6例,Po変異12例,Cx32変異14例であった.56例(約44%)では,病因となる変異が確認されなかった.外国の報告と比較すると重複による症例が少なく,病因が同定されない症例が多く遺伝的背景が異なることも考えられる. 日本人の病因遺伝子が同定されない症例については,新たな遺伝子についての検索が求められる.私達は,EGR2遺伝子について,DGGEを用いた解析システムを確立したので次年度に症例を解析する. 人末梢神経から分離したナトリウムチャンネル(SCN8A)のcDNAを発現ベクターに組み入れ発現実験を行い,ツメガエルの卵における発現を確認した.今後,チャンネルの性質を明らかにする. また,SCN8A遺伝子をCMT病の病因候補遺伝子として検索するためにDenaturing High Performance Liquid Chromatography (DHPLC)法を確立した.この方法を用いて,特に小脳失調を合併している9症例を対象として検索したが,異常は検出できなかった.
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