研究概要 |
日本人喘息の全ゲノム解析で連鎖が証明された4q35、5q31-q33領域の候補遺伝子haematopoietic prostaglandin D synthase(HPGDS)、serine protease inhibitor, Kazal type, 5(SPINK5)、Interleukin 12B(IL12B)、hepatitis A virus cellular receptor 1(HAVCR1)の遺伝子多型とアレルギー疾患との関連解析を行い以下の成績を得た。HPGDSにはIVS+11A/C多型が検出された。TDT解析で11Aアリルが喘息患者に有意に多く伝達されていた。SPINKS5にはAsp106Asn、Asn368Ser、Asp368Asn、Glu420Lyn、Glu825Aspの5種の多型が検出された。それぞれの多型のTDT解析をアトピー性皮膚炎で検索した。p値は0.39、0.0046、0.1、0.009、0.64であり、Asp368SerとGlu420Lys多型が有意に高い伝達率を示した。IL12Bには226Ser/Asnと1188A/Cの多型が検出された。喘息におけるTDT解析ではそれぞれのp値は0.45と0.92、カモガヤ花粉症では0.26と0.85であり、伝達不平衡を示唆する証拠は得られなかった。HAVCRには、-1634A/G、-1606A/C、-1547G/C、-1453G/A、exon4ins/del、IVS9+9G/Aの6箇所に多型が検出された。喘息患者でのTDT解析のp値は0.47、1、0.79、0.79、>0.1、0.35であり、伝達不平衡を示す結果は得られなかった。 HPGD2多型が気道過敏性の個体差に影響を与えている可能性を示唆した。SPINKS5のASP368SerとGlu420Lys変異がアトピー性皮膚炎に影響を与えている可能性が示唆された。
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