研究概要 |
日本人アトピー性気管支喘息全ゲノム連鎖解析の連鎖領域を中心に喘息疾患感受性遺伝子のポジショナルクローニングを行った。 5q31-q33領域の候補遺伝子解析では、haematopoietic prostaglandin D synthase (HPGDS)とserine protease inhibitor, Kazal type 5(SPINK5)が、それぞれ、気道過敏性の個体差とアトピー性皮膚炎の発症に影響を与えている可能性が示唆された。Interleukin 12B (IL12B)、hepatitis Avirus cellular receptor 1(HAVCR1)の遺伝子多型とアレルギー疾患との関連は認められなかった。また、ヒトゲノムプロジェクトによって明らかにされた5q31-q33領域全体の約150遺伝子の伝達不平衡解析を行い、連鎖領域内の遺伝子Xが喘息発症と有意に関連していることが明らかになった。6p22-p21領域についてはT-cell necrotizing factor-α(TNFA)の遺伝子多型と喘息発症との連鎖を報告した。この領域には免疫関連遺伝子が多数存在するのが、TNFA近傍の遺伝子の多型解析により、Lymphotoxin-α(LTA)遺伝子のプロモーター領域の多型と喘息発症が関連していることが明らかになった。 13番染色体領域についてはCysleukotorien2(CYSLT2)遺伝子の完全長cDNAをRACE法により取得し、組織における発現解析を行い、CYSLT2遺伝子内の多型と喘息発症との関連を検討し、CYSLT2のイントロン多型と喘息発症が関連することを見出した。
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