研究概要 |
日本人アトピー性気管支喘息全ゲノム連鎖解析の連鎖領域を中心に喘息疾患感受性遺伝子のポジショナルクローニングを行った。 5番染色体長腕(5q31-q33)領域では伝達不平衡解析の結果、連鎖領域内の遺伝子Xが喘息発症と有意に関連していることを見出した(p=0.00017)。現在は多型の機能解析をおこなっている。 6番染色体領域については先にTNFAの多型と喘息発症との関連を報告した(Noguchi et al.,2003)。TNFA領域には免疫関連遺伝子が多数存在し、関連の見られたTNFA多型と連鎖不平衡にある多型が喘息発症に関連している可能性がある。そこで喘息患者家系を用いてTNFA周辺遺伝子の多型の遺伝子型を決定し、伝達不平衡解析をおこなったところLTA遺伝子のプロモーター領域の多型と喘息発症が関連していることを見出した。現在ルシフェラーゼによるレポーターアッセイをおこなっており、本多型の機能について検討を加えている。 13番染色体領域について全ゲノム解析で関連の認められたマイクロサテライトマーカーの近傍にあるCYSLT2遺伝子に焦点をしぼり、RACE法による完全長cDNAの取得と組織における発現解析、CYSLT2遺伝子内の多型と喘息発症との関連を検討した。RACE法の結果ではCYSLT2遺伝子が4つのエクソンからなり、また多型解析の結果ではCYSLT2のイントロン多型と喘息発症が関連することを見出した(p=0.0066)。
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