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2002 年度 実績報告書

小児免疫発達と造血幹細胞移植後免疫再構築との分子生物学的比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 14570730
研究機関金沢大学

研究代表者

上原 貴博  金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (30293369)

研究分担者 笠原 善仁  金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (30204366)
谷内江 昭宏  金沢大学, 医学部, 教授 (40210281)
キーワード免疫発達 / メモリーT細胞 / CD244 / TREC / CDR3サイズ解析 / CD8β鎖
研究概要

CD244抗原のリンパ球亜群における発現と、その加齢による変化:CD244抗原(2B4)は、TCR-γδ陽性T細胞、NK細胞およびCD8陽性T細胞の一部に発現する。NK細胞株におけるCD244抗原は、抗CD244抗体による架橋にて、細胞質内のチロシンリン酸化の亢進・サイトカイン産生が認められる。CD8陽性T細胞においては、加齢とともにその発現が増加する。このことより、メモリー形質を有する細胞はCD244陽性群に含まれると考えられる。
CD8陽性T細胞のCD28・CD62Lによる亜分画とCD244発現:さらに、CD8陽性T細胞におけるCD244の発現を、co-stimulatory moleculeであるCD28、homing receptorであるCD62Lと三重染色にて解析した。
臍帯血ではそのほとんどがCD28陽性・CD62L陽性かつCD244陰性(A群)で、伝染性単核症や麻疹などの急性ウイルス感染症では一時的にCD28陽性・CD62L陽性かつCD244陽性の細胞(B群)が出現する。加齢によりCD28陰性・CD62L陰性かつCD244陽性の細胞群(C群)が増加することと併せ、ナイーブ(A群)→エフェクター・メモリー(B群)→メモリー(C群)の関係にあることが推察された。
CD8陽性T細胞の各亜群におけるTRECおよびCDR3サイズ分布の解析:各群におけるTRECおよびCDR3サイズ分布を検討した。(1)TRECはA群において最も高値を示し、B群、C群の順に低下した。(2)CDR3サイズ分布も同様の傾向を示すと思われたが、客観的に評価するため複雑度の数値化(complexity score : CS)を行った。CSはA群において最も高値を示し、B群、C群の順に低下した。したがってCD8陽性T細胞においては、CD244発現とCD28およびCD62Lの発現を組み合わせることによりナイーブ・エフェクター・メモリーの各細胞群の割合を推定することができ、これにTRECおよびCDR3サイズ分布のCSを加えることによって、造血幹細胞移植後のT細胞を中心とした免疫再構築を評価することが可能であると考えられる。移植後3-6ヶ月程度ではリンパ球の絶対数が少なく詳細な亜群に分けた解析は困難であり、現在CD8β鎖をマーカーとして同様の解析が可能であるか検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Konno A et al.: "CD8αα memory effector T cells descend directly from clonally expanded CD8α+βhigh TCRαβ T cells in vivo"Blood. 100・12. 4090-4097 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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