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2002 年度 実績報告書

母体ラットへの内分泌撹乱物質投与の仔ラットの性腺機能におよぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 14570732
研究機関山梨医科大学

研究代表者

大山 建司  山梨大学, 医学部, 教授 (80051861)

研究分担者 中込 美子  山梨大学, 医学部, 助手 (20198055)
キーワードダイオキシン / エストロゲン受容体 / 精子形成 / CYP1A1 / AhR / ARNT / Inhibin / 精巣
研究概要

目的:経胎盤・母乳性TCDD暴露が仔ラット精巣機能に及ぼす影響を、無毒性量と考えられているTCDD投与量の慢性的暴露で検討する。
方法:TCDD投与量と投与期間:体内濃度の半減期が約14日であることから、無毒性量のほぼ上限を維持するために10ng/kg/dayを7日毎に投与した.妊娠7日目から分娩後14日目まで5回母体に投与した(21日で離乳)。妊娠ラットは6匹、30-50μlを背部に皮下注投与した.
結果:1)組織学的検討:21日目に,雌雄各6匹からエーテル麻酔下に採血し,屠殺後外表奇形,内臓奇形の有無を確認し臓器を摘出した.外表奇形はなく、性腺,肝,腎,副腎,胸腺の重量も対照と差を認めなかった。精巣組織はPAS染色して観察した。精細管、生殖細胞数、間質細胞に異常を認めなかった。
2)分子生物学的検討:肝臓、精巣組織からRNAを調整した。肝臓においてダイオキシンによって特異的に誘導されるP450遺伝子(CYP1A1)の発現半定量的PCRにより検討した。TCDD処置3週齢肝臓のCYP1A1遺伝子の発現は牡牝関係なく、明らかに高値(約10倍)を示し、6週齢ラットでも、高値を示した。AhR、ARNTは肝臓では6週齢でTCDD処置により発現が減少した。精巣ではAhRは6週齢で減少したが、TCDDによる変化は無く、ARNTは加齢変化も無かった。精巣のinhibin/activinの各subunitの発現はβ-Aが6週齢で減少する加齢変化がみられるが、TCDD処置による変動は認めなかった。卵巣のERα発現はTCDD処置により3週齢でコントロールに比して明らかに増加したが、6週齢では差が無かった。ERβの発現はTCDD処置により3週齢ではわずかに増えたが、6週齢では明らかに増加した。AR発現はTCDDにより影響は受けなかった。
結論:TCDD10ng/kg、7日毎の投与は現在まで報告されている最も低用量である。この量でも経胎盤・母乳性に仔ラットに影響を及ぼす事が明らかになった。精巣機能の維持にエイトロゲンが重要である事が最近明らかとなってきたが、本研究で授乳期のエストロゲン受容体の発現がTCDにより影響を受ける事が明らかとなり、成熟期の精巣成熟、精子形成に影響する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 太田正法: "極微量ダイオキシンの母体投与による新生仔への影響"日本内分泌学会雑誌. 78・1. 109-109 (2002)

  • [文献書誌] 太田正法: "妊娠授乳期母体への微量ダイオキシン慢性投与の仔ラットに及ぼす影響"日本内分泌学会雑誌. 78・2. 396-396 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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