研究課題/領域番号 |
14570733
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
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研究分担者 |
合井 久美子 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (70324192)
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キーワード | 白血病 / アポトーシス / 細胞傷害因子 / TRAIL / FasL / T細胞性急性リンパ性白血病 / 移植片対白血病(GVL)効果 |
研究概要 |
白血病に対する同種造血幹細胞移植の有効性(GVL効果)は、細胞傷害T細胞に表出される細胞傷害因子を介した作用であることが明らかになってきているが、実際のEffector因子に関しては不明な点が多い。細胞傷害因子のうちFasLとTRAILの抗腫瘍効果が注目されており、TRAILは単球にも発現されており自家腫瘍免疫の一翼を担っている可能性も示唆されている。そこで今回、T細胞型急性リンパ性白血病(T-ALL)における細胞傷害因子感受性を明らかにするために、T-ALL由来細胞株6株を対象にFasLおよびTRAILの感受性と受容体発現を検討した。まず^3H-thymidine uptake法を用いて遺伝子組み換え可溶型ヒトFasLおよびTRAILの効果を解析したところ、FasLに対し6株中5株が強い感受性を1株が耐性を示し、TRAILに対しては1株が弱い感受性を5株が耐性を示した。フローサイトメトリーでのAnnexin V結合解析では、FasL感受性株ではFasLによるアポトーシス誘導が観察されたがTRAILでは明らかなアポトーシス誘導は観察されなかった。そこで各受容体に対する特異的抗体を用いてフローサイトメトリーで受容体発現を解析したところ、FasL感受性株ではいずれもFas強陽性であったがFasL耐性株でも感受性株に比べると弱いいものの明らかなFas発現を認めた。一方、TRAIL受容体のうちdeath domain有するDR4の発現を弱感受性株で認めたが耐性株は全て陰性であり、death domain有するDR5は全株で陰性であった。またdecoy受容体であるDcR1/2は検出されなかった。そこでT-ALL症例の凍結保存細胞を用いて、FasLおよびTRAILの感受性と受容体発現を解析したところ、細胞株と同様の傾向を認めた。
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