研究概要 |
SCOT欠損症の軽症変異型: 我が国の3家系の蛋白遺伝子解析と臨床像について検討し,軽症変異型ではpermanent ketosisがみられないことから,Permanent ketosisは本症に特徴的ではあるが,ないからといって否定できないことを明らかにした(投稿中). T2欠損症における開始メチオニンコドン変異の特徴: 日本人症例GK30においてc.2T>Cという開始メチオニンコドンの変異をヘテロで同定した(もう1つの変異は149delC),そこで開始メチオニンコドンに可能な9種類のうちの1つの1塩基置換を入れた発現ベクターを作成し,変異開始メチオニンコドンでの翻訳開始効率を蛋白量として調べた。その効率にはかなり差があるもののすべての変異で翻訳が変異開始メチオニンでおこることがわかり,以上からT2欠損症における開始メチオニンコドン変異は軽症遺伝子型になることが明らかになった 軽症変異型のチオラーゼ欠損症の特徴: 日本人症例5例の遺伝子解析と臨床所見を比較し、軽症変異型の本症の特徴について明らかにした. 日本人患者5例のうちGK01は重症変異型,他の4例は軽症変異型で.ケトアシドーシス発作の頻度と重症度との関連性は認められなかった.しかし軽症変異型の症例の発作間欠期の有機酸所見やアシルカルニチンプロフィールの異常は軽微であり、正常と見誤る可能性があるため注意が必要である. 軽症遺伝子型ミトコンドリア・アセトアセチル-CoAチオラーゼ(T2)欠損症はa coupled assay with tiglyl-CoAでは正常活性と診断されてきた可能性があること明らかにした(投稿中).
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