研究課題/領域番号 |
14570750
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
脇口 宏 高知大学, 医学部, 教授 (10116519)
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研究分担者 |
今井 章介 高知大学, 医学部, 教授 (60232592)
前田 明彦 高知大学, 医学部, 助手 (50335931)
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キーワード | 慢性活動性EBV感染症 / T / NK細胞増殖 / EBV遺伝子 |
研究概要 |
小児に多く、今日なお病態不明で、T、NKリンパ球の腫瘍性増殖によると目される予後不良疾患、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の発生機序解明と有効治療法の確立を目指した研究を行い、以下の成果を得た。 当研究の基本的実施戦略は、本症患者体内で無制限増殖するEBV感染T、NK細胞に腫瘍性形質を賦与する責任EBV遺伝子を、感染EBVゲノム自体と機能的に置換可能な単一のEBV遺伝子として同定することである。現在、既に単離した各EBV潜伏感染遺伝子発現自己不活化型レトロウイルスベクター(SIN-RV)を用いて、重症型CAEBV患者由来のEBV持続感染T、NK細胞株に各EBV遺伝子を導入、安定発現クローンを樹立中である。並行して、EBV感染T、NK細胞から人為的にEBVエピゾーム自体を脱落させるため新たに作製したdominant-negative EBNA1変異体遺伝子を、ファイバー置換型アデノウイルスベクターにより至適条件下にEBV持続感染T、NK細胞株に接種することで、迅速(接種後6〜10日以内)かつ高効率(40〜75%の細胞から)にEBVゲノムを完全に脱落させることに成功した。さらに、このEBV駆逐に伴って、T、NK細胞増殖能の著明な低下が引き起こされることを明らかにした。 以上この研究課題での結果を統合し、今後、更に発展させて責任EBV遺伝子の同定作業を行っていく。
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