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2003 年度 実績報告書

国産新規ウイルスベクターによる造血幹細胞を用いた遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14570752
研究機関九州大学

研究代表者

楠原 浩一  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20243941)

研究分担者 米満 吉和  九州大学, 大学病院, 講師 (40315065)
野村 明彦  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00325531)
キーワード遺伝子治療 / 造血幹細胞 / 遺伝子導入 / センダイウイルス / ベクター / 臍帯血
研究概要

国産の新規ウイルスベクターである組み換えセンダイウイルスベクター(SeV)を用いたヒト多能性造血幹細胞(pluripotent hematopoietic stem cell, PHSC)への遺伝子導入システムを樹立するために、細胞毒性の弱い次世代SeVを用いた遺伝子導入をin vitroで解析するとともに、遺伝子導入されたヒトPHSCをNOD/SCIDマウスに移植するin vivoの系で付加型SeVと比較し、以下の結果を得た。
1)SeV/M^<ts>HN^<ts>ΔFは、F蛋白欠損に加えて、M蛋白およびHN蛋白に温度感受性変異(ts)を有する新しいSeVであり、これまで使用してきた付加型SeVよりも細胞毒性の少ないベクターとして開発された(Inoue M et al. J Virol 77:3238-46,2003)。SeV/M^<ts>HN^<ts>ΔFを用いてヒト臍帯血由来CD34^+細胞(CB-CD34^+)への遺伝子導入を行ったところ、遺伝子導入効率は付加型SeVと同様約85%程度であり、遺伝子導入された細胞では量依存性の増殖抑制がみられたものの、その程度は付加型SeVよりも軽度であった。
2)SeVによりGFP遺伝子を導入したCB-CD34^+をNOD/SCIDマウスに移植し、3〜4週間後に解析したところ、骨髄細胞中のヒトCD45^+細胞の割合(生着率)の平均は、対照62%,付加型SeV 0.6%,SeV/M^<ts>HN^<ts>ΔF 1.2%であり、生着したヒトCD45^+細胞におけるGFP陽性率は、付加型SeVでは0%、SeV/M^<ts>HN<ts>ΔFでは34.6±13.3%であった。
以上の結果より、SeV/M^<ts>HN^<ts>ΔFをCB-CD34^+への遺伝子導入ベクターとして用いた場合、付加型に比べて細胞毒性が軽減されているが、その程度はまだ不十分であり、in vivoにおいて遺伝子導入細胞の十分な生着を得るためには、ベクターの一層の弱毒化が必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Okano S, Yonemitsu Y, et al.: "Recombinant Sendai virus vectors for activated T lymphocytes."Gene Ther. 10(16). 1381-1391 (2003)

  • [文献書誌] Kusuhara K, Nomura A, et al.: "Tumour necrosis factor receptor-associated periodic syndrome with a novel mutation in the TNFRSFIA gene in a Japanese family"Eur J Pediatr. 163(1). 30-32 (2004)

  • [文献書誌] Torisu H, Kusuhara K, et al.: "Functional MxA promoter polymorphism associated with subacute sclerosing panencephalitis in Japan."Neurol. 62(3). 457-460 (2004)

  • [文献書誌] Shoji T, Yonemitsu Y, et al.: "Intramuscular gene transfer of FGF-2 attenuates endothelial dysfunction and inhibits intimal hyperplasia of vein grafts in poor-runoff limbs of rabbit."Am J Physiol Heart Circ Physiol. 285(1). H173-H182 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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