研究課題/領域番号 |
14570757
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山中 正二 横浜市立大学, 医学部附属病院, 講師 (80264604)
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研究分担者 |
三五 一憲 東京都神経科学総合研究所, 発生形態研究部門, 研究員 (50291943)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10217995)
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キーワード | Sandhoff病 / ライソゾーム病 / 免疫異常 / ヘキソサミニダーゼ |
研究概要 |
平成15年度科研費を用いて以下の結果を得た。 (1)ON-OFF機構を用いた研究 (1-1)トランスジェニックマウス(TG)の作製:平成15年度は色々とトラブルがあり、かなり実験が遅れている。6月より当大学動物実験センターでマウス肝炎ウイルスが蔓延し、9月までマウスを増やすことが実質上不可能になった(最低限の維持のみ)。その後1月にはパスツレラの感染が確認され、実質上マウスで実験をする期間が僅かしかなくなり、また外部よりマウスを持ち込むことも厳しくなった。そのため、初期の計画と異なり、マウスの凍結受精卵を作製し、またTGも全て大学内で作製することになった。外部からマウスを入れないこともあり、ER-Creマウスを使わずTet-On systemを使うことに変更。現在、動物センターに依頼してTG作製を依頼中。 (1-2)マウスhexb cDNAの発現ベクターの作成:理由は良く解らないがマウスの発現ベクターを作製しているが、うまく出来ていない。cDNAの上流がないことが解ったのでPCR等にて完全長のを作製しているが、うまく発現せず。 (2)Sandhoff病マウス(SDマウス)における免疫異常の研究 昨年の報告書に記したように、SDマウスにて自己免疫現象が起きていることが解り、それが症状に関与していることを証明するために、FcR γノックアウトマウスと交配して作製した。その結果、FcR γ欠損型SDマウスは神経症状が緩和され、神経病理所見も改善し、寿命も延長した。これよりマウスではGM2,GA2を分解出来ず、これらの脂質が排除されない結果、自己抗原になり、神経症状を促進することと思われた。また、ヒトのSD患者の脳においても自己抗体が沈着していることを見いだし、ヒトでも同様の病態が関与していることが考えられた(J Clinical Investigationに発表)。
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