研究課題/領域番号 |
14570764
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80196865)
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研究分担者 |
吉川 徳茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
上村 茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50137262)
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (40190904)
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キーワード | 川崎病 / 血管平滑筋 / 自己抗体 / IgA / IgM |
研究概要 |
川崎病血管炎の原因は今なお不明である。申請者らは、スーパー抗原に着目し、末梢血リンパ球のT細胞レセプター(TCR)のレパートアを分析した結杲、Vβ2とVβ6.5が有意に活性化されている事を見出した。さらに、スーパー抗原暴露から血管炎発症に至る過程において、血管構築タンパク成分を自己抗原とした自己抗体産生を誘導するクローン(auto-reactive T細胞)が存在する可能性を考え、自己抗体の有無を検索し、Western lmmunoblotで冠動脈中膜平滑筋細胞由来の70kDaタンパクに対する自己抗体(IgA, M分画)が30-40%に陽性であることを見出した。川崎病において、血管平滑筋に対する自己抗体の検討は今までなされていない。本研究では、申請者らは、ヒト冠動脈培養平滑筋細胞からのcDNA libraryを用い、抗血管平滑筋細胞抗体を高濃度に持つ患児血清でスクリーニングを行なった。 【研究経過・研究成果】 臨床的に川崎病典型例で、Western lmmunoblot分析で冠動脈平滑筋細胞由来の70kDaタンパクに対してlgA分画の抗体を高濃度に持っていることが確認された3例の血清を用いてcDNA libraryのスクリーニングを行った。2次・3次スクリーニングを行って合計10個の陽性クローンを得た。このクローンについて現在シークエンスで検索中である。川崎病において見出された自己抗体の冠動脈平滑筋特異抗原が判明する可能性がある。さらに、IgM分画の抗体保有者の血清を用いて同様にスクリーニングを行う予定である。
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