研究課題
基盤研究(C)
ステロイド抵抗性先天性ネフローゼは生後3ヶ月以降に発症する遺伝性ネフローゼであるが、その責任遺伝子(NPHS2)が2000年に同定された。本研究では、その遺伝子産物podocinの蛋白機能について、その遺伝子変異による蛋白尿の病態、後天的なネフローゼ状態におけるpodocinの発現変化に焦点をあてることにより解析した。抗podocin抗体と単離糸球体材料を用いた免疫電顕により、糸球体足突起スリット膜の主要構築分子nephrinと特異的な同局在性が明らかになった。さらに、糸球体材料を用いた免疫沈降法により、生化学的に両分子が結合することが証明された。ステロイド抵抗性先天性ネフローゼのミスセンス変異を再現するpodocin cDNAを発現させた細胞における局在の検討から、特にC-末端側の変異が、その高次構造形成の障害による細胞内輸送異常をきたし、同時に尿蛋白の制御機構に必須であるnephrinの輸送をも巻き込むことが明らかになった。また、後天性の微小変化型ネフローゼのモデルであるPuromycin-Aminonucleosideラット腎症では、尿蛋白の出現に先だって、nephrinとともにpodocinの蛋白レベルでの減少を認めたことから、podocinとnephrinのスリット膜における精緻な複合体形成過程が、糸球体における血漿蛋白濾過障壁機能を担うことが明らかになった。
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