研究課題/領域番号 |
14570784
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
皆川 京子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80268557)
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研究分担者 |
玉置 知子(橋本・島) 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10172868)
辻 芳之 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60148658)
谷澤 隆邦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10126534)
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
立花 久大 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (80124949)
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キーワード | newborn / PVL / cytokine / interluekin-18 |
研究概要 |
(目的、方法、結果)現在まで新生児期に発症する脳障害を生化学的に予測したり、発症の程度を生化学的に評価するための有効な指標はなく、発症は臨床症状と画像的検査でのみ検討されてきた。しかし最近われわれは、未熟児出生時の膀帯血においてインターロイキン18(IL-18)の高値と出生後通常は数週間後に診断される脳室周囲白質変性(periventricular leukomalacia, PVL)等、脳の器質的障害の発症に強い相関があること、さらにはIL-18高値は生後1年以後に診断される脳性麻庫(cerebral palsy, CP)の発症に密接に関連することを報告した。この成果を利用して、未熟児において、出生後に発症する脳障害にIL-18が果たす役割をあきらかとし、発症防止に必要な因子を解析するのが本研究の目的である。 今回、研究に用いた出生後臍帯血サイトカイン、及び経過中に測定したサイトカインについて下記のインフォームドコンセントを行い、検体を保存血清と研究に用いること、情報提供について文書にて家族の同意を得た。サイトカイン濃度を測定することが必要なため、胎児の両親に出生前に十分な時間的な余裕をもって1)研究の目的、2)研究の試料は生まれてくる児には不要の出生時臍帯血であり、母体や児にはなんらの負担もないこと、3)出生後に臨床上必要な場合にのみ採血を行いその際に血清に余剰がある場合に限り約50・lの血清を利用してサイトカインを測定すること、4)未熟児脳障害やCPに関するフォローアップを十分行うためには個人を匿名化することに意義がないが、統計処理においては臨床に関与しない研究代表者が完全な匿名化をおこなった上で施行すること、5)得られたIL-18濃度等のデータに関しては、現時点で臨床的に還元できる可能性があるので両親に開示すること(児本人はまだ判断能力がないため)、6)データの公表には両親の許可を得ること(児本人はまだ判断能力がないため)、7)本研究についての協力を拒否しても、何等医療を受ける上で不利がないこと等両親双方の意志によって研究に協力して頂くことを確認し、文書におけるインフォームドコンセントを頂く。また児のフォローアップ中に、何時でも両親の片方、もしくは双方の意志によって研究への協力を拒否し、それまでに得られたデータを破棄することが可能であることを説明し、両親の意志を十分に尊重したうえで研究を遂行する。統計解析は匿名化のうえで行う。他施設からの既採取の検体を用いる場合にも上記と同等の手続きをとり、われわれの施設でのデータ解析は匿名化を行ったうえで施行することとした。 1.出生時臍帯血血清におけるIL-18、TNF-α、IL-1、IL-6、Interferon-γ等のサイトカイン濃度の測定 インフォームドコンセント成立症例は約100例であったがその中で極低出生体重児が約30例である。出生時臍帯血血清におけるIL-18、TNF-α、IL-1、IL-6、Interferon-γ等のサイトカイン濃度の測定をおこなった 2.未熟児症例の臨床経過、予後の検討 3 出生後脳障害を呈した数例の経過及び濃度の測定をおこなった。 (case1)在胎27週5日出生体重1018g、出生後より頭部超音波にてフォローアップしたところCysticPVLを認めた。臍帯血IL-18は322.01pg/ml、IL-6968.92pg/ml、日齢2にはIL-18233.57pg/ml、IL-6(-)、日齢3には94.33pg/ml、1L-6(-)、IL18259.84pg/ml、IL-6(-)デその後IL-6(-)であったが、IL-18はMAX739.04/m間で上昇し、持続した。その他のPVLなhigh risk1児も同様な経過が多い傾向にあった。重篤な脳障害(PVL)を示す症例は血清IL-6値が一過性に上昇するのに比べて血清IL-18上昇が持続する傾向にあるという結果を得た。 4 未熟児症例の予後検討として発達外来にて予後の経過観察をおこなった。 5 画像検査など神経学的評価もおこなった
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