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2003 年度 実績報告書

神経芽細胞腫骨転移の臓器特異的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14570793
研究機関大阪府立母子保健総合医療センター(研究所)

研究代表者

道上 敏美  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 環境影響部門, 部長 (00301804)

研究分担者 大薗 恵一  大阪大学, 大学院・医学系研究科・生体統合医学・小児発達医学, 教授 (20270770)
キーワード破骨細胞 / 神経芽細胞腫 / osteoprotegerin / 遺伝子治療
研究概要

神経芽細胞腫はしばしば骨・骨髄に転移し、骨転移のある症例は高用量の化学療法、骨髄移植などの治療に抵抗する。このことから、骨を標的とする臓器特異的治療の開発が急務であると考えられる。我々はこれまで、ヒト神経芽細胞腫細胞とマウスの骨髄細胞との共存培養を行い、この共存培養下で破骨細胞が形成されること、また破骨細胞誘導因子であるRANKLの発現が上昇していることを報告した。本研究においては、この結果にもとづき、RANKLに対するデコイ受容体であるosteoprotegerin (OPG)を用いた治療の可能性を検討することとした。NakedのOPG発現ベクターの筋肉内遺伝子導入法を行うため、ラット腎臓より得たcDNAを鋳型として蛋白コード領域をPCRクローニングし、pCAGGSに組み込み、タグとしてOPGのC端にFLAGを付加した。作製したratOPG-FLAGの発現と生物活性を検討するため、プラスミドをCOS7細胞に導入し、培養上清を回収した。発現は抗FLAG抗体を用いたWestern blotで、破骨細胞形成に対する阻害活性はin vitroの破骨細胞形成実験により確認した。実際に動物の筋肉内に遺伝子導入した際の、発現及び分泌、骨吸収抑制作用を検討するため、腫瘍随伴性高カルシウム(Ca)血症動物モデルにpCAGGS-ratOPG-FLAGの筋肉遺伝子導入を行った。その結果、遺伝子導入後1週間以内に高Ca血症の是正を認めた。また、Ca値の低下に伴い、腎臓での1α位水酸化酵素の発現が増強された。抗FLAG抗体を用いたWestern blotで、遺伝子導入を行った動物の血清中にはratOPG-FLAGの存在が確認された。さらに、骨粗鬆症を呈するOPGノックアウトマウスに対して本ベクターの筋肉内遺伝子導入を試みたところ、骨量の増加をみとめ、本遺伝子治療の効果が確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Myoui A, Nishimura R, Williams PJ, Hiraga T, Tamura D, Michigami T, Mundy GR, Yoneda T.: "C-Src Tyrosine Kinase Activity Is Associated with Tumor Colonization in Bone and Lung in an Animal Model of Human Breast Cancer Metastasis."Cancer Research. 63・16. 5028-5033 (2003)

  • [文献書誌] 道上敏美: "In vivo electroporation法によるosteoprotegerin持続発現を用いた代謝性骨疾患遺伝子治療の有効性の検討"Osteoporosis Japan. 11・4. 762-767 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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