研究課題/領域番号 |
14570801
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
竹原 和彦 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50142253)
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研究分担者 |
白崎 文朗 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10313644)
佐藤 伸一 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20215792)
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キーワード | TGFβ / CTGF / コラーゲン / 線維化 / 動物モデル |
研究概要 |
トランスジェニックマウスを用いて皮膚線維化モデルを作製し、CTGFによる皮膚線維化の亢進の機序についての研究を行ったので報告する。使用したマウスは、I型コラーゲンのα2鎖をコードするproα2鎖(I)コラーゲン遺伝子のプロモーター領域にレポーター遺伝子を組み込んだマウスである。 正常マウスにおいて、皮下にTGFβのみを注入すると4日目に線維化が誘導されるが、8日目には消失する。しかし、TGFβを3日間注入し、次にCTGFを4日間注入すると線維化が持続する。 今回、トランスジェニックマウスを用いてこの皮膚線維化モデルを作製し、コラーゲン遺伝子の転写活性、浸潤細胞について検討した。コラーゲン遺伝子の転写活性は、TGFβ単独投与群では、4日目をピークに低下し8日目にはほぼ0になったのに対し、TGFβ/CTGF連続投与群では8日目まで高値が持続し、さらにTGFβ/CTGF連続投与群でコラーゲン遺伝子が転写されている線維芽細胞数が増加していた。このことより、CTGFはコラーゲン遺伝子を発現する線維芽細胞を増加させることにより、遺伝子の転写活性を維持し、コラーゲン産生を亢進させると考えられた。また、トルイジンブルー染色、F4/80を用いた免疫染色で、肥満細胞、マクロファージ数を計測したところ、TGFβ/CTGF連続投与群で増加していており、CTGFのコラーゲン産生亢進に関与していると考えられた。 今後は、この皮膚線維化モデルにおける他のサイトカインやケモカインの関与についてさらに検討したいと考えている。
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