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2002 年度 実績報告書

皮膚マスト細胞による表皮ランゲルハンス細胞機能の修飾

研究課題

研究課題/領域番号 14570803
研究機関山梨医科大学

研究代表者

島田 眞路  山梨大学, 医学部, 教授 (10114505)

研究分担者 山田 伸夫  山梨大学, 医学部, 講師 (50230470)
キーワードマスト細胞 / 皮膚 / エンドリン / 創傷治癒
研究概要

Endothelin-1(ET-1)は最も強力かつ長時間にわたって効果の持続する血管収縮作用を有する因子であり、血管内皮細胞や上皮系細胞などさまざまな細胞によって分泌されることが知られている。最近様々な知見から皮膚マスト細胞が創傷治癒ないし組織再構築に関与する可能性が示唆されており、またマスト細胞はまた別の強力な血管作用性因子ヒスタミンを多量に放出しうることから、我々はET-1と皮膚マスト細胞の関係について興味を持った。既にET-1とマスト細胞の関連については、皮膚マスト細胞と同様、結合組織型マスト細胞の性格をもつマウス腹腔内マスト細胞がエンドセリンレセプターを発現し、ET-1を加えると脱顆粒を起こすことが報告されている。
皮膚マスト細胞を高純度で分離することは非常に困難であることから、我々は皮膚マスト細胞のモデルとしてマウス胎児皮膚由来培養マスト細胞(FSMC)を用いた。FSMCは無刺激の状態でもET-1を発現していたが、ionomycinまたはLPS、CpGオリゴなどのToll-like receptorsに対するリガンドを加えることによりその発現はさらにいっそう強くなった。FSMCはまたET_AおよびET_Bレセプターを発現しており、外来性のET-1を加えると10^<-6>Mから10^<-8>Mの濃度域で濃度依存性に顕著な脱顆粒が起こった。この脱顆粒は、ET_AアンタゴニストであるBQ-123によって完全に抑制され、一方ET_Bアンタゴニストであるsarafbotoxin 6cの影響を受けないことから、ET_Aレセプターが関与していることが明らかになった。これに対し、マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)は結合組織型の特徴をもたない、未分化マスト細胞のモデルとして知られているが、BMMCの場合にはET-1を加えても脱顆粒が全くみられなかった。
このようにFSMCを用いた研究によって初めて、ET-1が皮層マスト細胞の機能をコントロールしている可能性が示唆された。今後皮層の炎症や創傷治癒過程におけるその意義の解明に取り組んでいきたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山田伸夫, 松嶋宏典, 島田眞路: "皮膚マスト細胞のモデル胎児皮膚由来培養マスト細胞が産生する走化性因子の解析"西日本皮膚科. 64・4. 504-505 (2002)

  • [文献書誌] 山田伸夫: "胎児皮膚由来培養マスト細胞:皮膚マスト細胞研究の新しいモデル"Monthly Book Derma. No.64. 7-14 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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