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2002 年度 実績報告書

紫外線感受性トリコチオディストロフィー細胞を用いたTF葬HのDNA修復機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14570819
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

宮川 幸子  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30094626)

研究分担者 森 俊雄  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (10115280)
キーワードトリコチオディストロフィー / 紫外線 / DNA損傷 / DNA修復 / TFIIH / XPD / ヌクレチオド除去修後 / 光線過敏症
研究概要

トリコチオディストロフィー(TTD)はTFIIHの異常によって引き起こされる遺伝性疾患である。色素性乾皮症(XP)B群あるいはD群遺伝子に突然変異をもつグループと、原因は不明であるがTFIIH量が減少しているグループが知られている。XPBおよびXPD蛋白はTFIIHを形成するサブユニットであるため、これらの異常によってもTFIIHの質的・量的異常が生じる。TFIIHは紫外線による主要なDNA損傷であるシクロブタン型ダイマー(CPD)や(6-4)型ダイマー(6-4PP)を修復するヌクレオチド除去修復(NER)過程でhelicaseとして働く。このためXP患者同様、TTD患者でも光線過敏性がみられる。しかし興味深いことに、XPBあるいはXPD蛋白異常があるTTD患者でも、XP患者にみられる高発癌性は認められない。
このTTDとXPのdiscrepancyの機序を解明するため、まずXPD遣伝子の異なる配列に突然変異を持つTTD患者由来線維芽細胞の紫外線感受性(MTSアッセイ法)およびDNA修復能(ELISA法、免疫蛍光染色法)を定量した。その結果、TTD2VIはDNA修復能が高く紫外線感受性が低いこと、TTD9VIはDNA修復能が低く紫外線感受性が高いこと、TTD1VIはDNA修復能・紫外線感受性ともに両細胞株の中間に位置することがわかった。また、TTDにおけるDNA修復欠損では、CPDおよび6-4PPの両方に対して修復能が低下すること、修復能の低下に伴い紫外線感受性となることがわかった。次年度は、これら3種類のTTD細胞株を用いて、TTDにおけるNER欠損の機序およびXPにみられるNER欠損との差異についての詳細な検討を行う。本研究の成果はTTDにおける光線過敏性の機序の解明にとどまらず、紫外線発癌機序の解明にもつながることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Imoto K. et al.: "The Total Amount of DNA Damage Determines Ultraviolet-radiation-induced Cytotoxicity After Uniform or Localized Irradiation of Human Cells"J Invest. Dermatol.. 119. 1177-1182 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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