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2002 年度 実績報告書

悪性黒色腫早期発見および母斑スクリーニングのための簡易型遠隔ダーモスコープ診断法

研究課題

研究課題/領域番号 14570822
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田中 勝  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40188339)

研究分担者 小林 誠一郎  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286055)
キーワードダーモスコープ / 電子メール / 遠隔診断 / 悪性黒色腫 / 母斑細胞母斑
研究概要

1.本研究に参加することを同意した患者は大きさ6x8mmまでの病変をUSB-マイクロスコープM2で撮影して保存した.登録患者はUSB-マイクロスコープM2を用いて原則として3ヶ月ごとに臨床写真およびダーモスコープ写真を偏光ありおよび偏光なしのモードでそれぞれ撮影し、JPEG圧縮保存した。保存された画像は電子メール用アプリケーションを用いて,添付書類として研究分担者小林に送信した.現時点で目的とする色素性病変の登録患者数は目標に達していないが,当初考えていた母斑細胞母斑が中心ではなく、さまざまな皮膚病変が混入するためこれらの診断やダーモスコープ所見にも注意を払う必要が生じた.
2.保存画像は暗いものやホワイトバランスの合っていないものが多く,そのままでは正診率に影響すると思われた.皮膚色や病変の色によって,ホワイトバランスが調整され,また画像の明るさも偏光ありとなしで同じになるため偏光なしの場合は明るすぎ,偏光ありの場合は暗すぎることになる.そのため画像を標準化する必要性が生じた.
3.遠隔診断は症例も少ないため,まだ統計的に評価することはできないが,ほぼ90%の正診率で正しく診断することが可能であり,画像数が少なく,画質がそれほどの高画質でなくとも診断が可能と思われた.しかしながら,短期間の経過観察のみでは悪性の場合でも変化が少ないため,さらに継続して経過を観察していくことが重要である.現在までに悪性と考えられた症例は1例もなかった.
4.このシステムではごく早期の病変を評価するため悪性黒色腫が入ってくる可能性は少ないが,さまざまな色素性皮膚病変,すなわち母斑細胞母斑の他に,基底細胞癌,脂漏性角化症,被角血管腫などが含まれることが示された.今後,これらのスクリーニングに用いる画像解析プログラムも併用して鑑別することができるか検討を加える予定である.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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