研究課題/領域番号 |
14570823
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
須賀 康 順天堂大学, 医学部, 講師 (90245738)
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研究分担者 |
溝口 将之 順天堂大学, 医学部, 講師 (20317473)
須藤 一 順天堂大学, 医学部, 講師 (90286740)
池田 志斈 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40193198)
池嶋 文子 順天堂大学, 医学部, 助手 (30338321)
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キーワード | 尋常性白斑 / 自己免疫型白斑 / 分節型白斑 / 酸化ストレス / redox環境 / 抗酸化酵素 / スルフォヒドリール・オキシダーゼ |
研究概要 |
本年度はまず、当院の白斑外来に通院中の重症白斑患者(尋常性白斑の自己免疫型25名、分節型5名)につき、これまでの治療に対する効果と満足度のアンケート調査を行った。自己免疫型ではこれまで近医で施行されていたステロイド剤外用に抵抗性の症例が多く、紫外線療法に対する効果と満足度が80%と高かった。しかしながら、抗核抗体が陽性である率が20%あり、光線過敏症を誘発しないよう留意が必要であろう。また、カムフラージ剤に対する満足度も80%と高かった為、本症が患者にとって整容的に大きな負担となっている事が考えられた。分節型では殆どの治療に抵抗性で、全例の患者より整容的な理由から表皮植皮を施行する希望があった。今後は患者症例数を増やして更に現況調査を充実させたい。 また、白斑病変部でin vivoに起こっているredox環境の変化について、病理診断時に作成した標本を用いて検討した。すなわち、酸化酵素であるスルフォヒドリール・オキシダーゼ(SOx)の免疫染色、セリウム法による過酸化水素の局在、抗酸化酵素であるカタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼの免疫染色、及びin situ hyblidizationを施行した。その結果、自己免疫型の白斑病変部では正常部と比較して、SOxと過酸化水素の発現はわずかに増加していた。表皮上層のカタラーゼの発現は明らかに減少していた。これは、酸化ストレスが白斑表皮の内部に蓄積している一つの証拠であるかもしれない。分節型では、殆ど変化は認められなかった。ただし、自己免疫型の白斑病変部では過去にステロイド外用や紫外線療法などを受けた既往がある。この変化が白斑の病態によるものであるのか、既往の治療の影響によるものなのか、再検討が必要と思われた。この件については、今後の白斑治療前後でのredox環境の変化について、動物モデル実験を行う際にも併せて検討を行ってゆく予定である。
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