研究概要 |
平成14年度に引き続き平成15年度は,8例の患者においてシンクロトロンで発生する放射光を用いて造影剤の静脈注入による冠動脈造影(経静脈冠動脈造影)を行った。うち2例で,本造影法の利点である簡便性・安全性を活かし,運動前と運動直後に経静脈冠動脈造影を行った。右冠動脈の描出は良好であり,全例で冠動脈病変の有無を評価できた。また,運動に伴う冠動脈形態の評価も可能であった。しかし,左冠動脈は右冠動脈に比べ冠動脈が細く,また分枝も多いために,左冠動脈の描出が困難であった例も存在した。そのため,より解像度に優れる撮像系を用い画質を改善する必要があると考える。そこで,現在image intensifierを用いて撮像しているが,平成16年度からは新たにフラットパネルを導入したいと予定している。フラットパネルを用いることで,デジタルの画像を得ることができ,画像処理も容易となるため画質を改善できると考える。 研究成果を以下の学会・研究会で発表した。 ・「放射光血管造影」 化学放射線治療科学研究会(12月15日,東京) ・「放射光を用いた冠動脈動画造影の臨床応用」 第17回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム(1月10日,つくば) ・「放射光を用いた経静脈冠動脈造影の現状と展望」 日本物理学会第59回年次大会シンポジウム(3月30日,福岡)
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