研究概要 |
平成14年度は、既に蓄積されている骨軟部腫瘍のFDG-PET検査200件超のうち、軟部腫瘍114例についてSUV値の解析が終了し、その結果を学会誌に報告した.(Aoki J, et al. EDG-PET for preoperative differential diagnosis between benign and malignant soft tissue masses. Skeletal Radiology 2003 ; 32 : 133-138.)この中で、組織球系細胞を含む腫瘍(悪性線維性組織球腫、腱鞘巨細胞腫、サルコイドーシスなど)が高いSUV値を示すことが示された.来年度は、これらの症例を選び、ブドウ糖輸送酵素(Glucose transporter-1, GLUT-1)の抗体を用いて免疫染色を行う.現在、すでにある組織標本のパラフィン切片に対する安定した蛍光抗体法を確立するための努力が行われている.(安定しない場合は、新鮮例の凍結切片も用いる.現在も術前FDG-PETは継続されており、症例は十分に確保される.)CD68などの組織球系の免疫染色も行う.骨髄炎や軟部の炎症などの症例も興味深い.次に、線維芽細胞を多く含む疾患(悪性線維性組織球種、デスモイドなど)にも同様の免疫染色を行う予定である. GLUT-1染色の結果と組織学的悪性度ならびにFDG集積度との比較検討を再度行う.
|