研究課題/領域番号 |
14570839
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80188896)
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研究分担者 |
小野木 雄三 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90233593)
寺原 敦 東邦大学, 医学部附属病院, 助教授 (80237007)
多湖 正夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282520)
中村 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40359625)
中西 哲也 三菱電機, 先端総合碗究所, 主任研究員
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キーワード | C-アーム型ライナック / 原体照射 / 歳差集光原体照射法 / 3次元放射線治療 / 治療計画システム |
研究概要 |
直線加速器を用いて、ガンマナイフと同様の歳差集光照射に、原体照射機構と組み合わせることにより、「3次元歳差集光原体照射法」を実現した。これは、直線加速器のガントリーをCアームで保持し、ガントリー回転の他に、Cアームに沿った回転を加える「Cアーム型ライナック」によりガンマナイフと同様の集光照射機構を実現させ、これに原体照射における多分割絞りの運動を連動されるものである。照射中に、ビームは円錐状に腫瘍に入射し、各入射角に応じて、多分割絞りが連続的に変化する。これにより、頭部、体幹部を問わず、すべて部位の悪性腫瘍の放射線治療を、ガンマナイフやIMRTを凌ぐ、高い精度で行うことができ、放射線治療成績の向上に大きく寄与する。本年度は、歳差集光照射用の線量計算プログラムを完成させ、市販の治療計画装置にインストールした。衝突防止用と、照射方向設定の効率化のため、視覚的なサポートを重視した。これによって、一般の施設でも歳差集光原体照射が施行可能となった。ファントムでの計算結果を実測データと比較して、治療計画ソフトウェアの精度を評価し、良好な結果を得た。実際には、水等価ファントムにフィルムを挟みこんで照射を行い、あらかじめキャリブレーションを行った黒化度読みとり装置を用いて、吸収線量分布を計算し、コンピュータシミュレーションと定量的に比較した。臨床応用にあたっては、十分なインフォームドコンセントを得た上で体幹部の転移性腫瘍(原発及び転移肺腫瘍で直径3cm以下)を対象として行い、良好な一次効果を得た。
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