研究概要 |
Tc-99m-Annexin V(Tc-AV)を用いてラット心筋虚血再灌流モデルにおけるアポプトーシスの経時的変化を検討した。41匹のウイスターラットにおいて左冠動脈(LCA)を20分間閉塞し、その後再灌流30分(n=6)、90分(n=7)、6時間(n=7)、1日(n=8)、3日(n=8)、2週間(n=5)後にTc-AV(100-200MBq)を投与した。1時間後にLCAを再結紮し、直後にTl-201(0.74MBq)を探与し1分後に屠殺した。2核種オートラジオグラフィにてTc-AV(アポプトーシス)とTl(虚血範囲)の分布を画像化し解析した。Tc-AVの集積は極めて不均一であり、再環流30分、90分にて虚血部のmid myocardiumに集積し、6時間で心外膜、内膜側に拡大した。1日から3日後では全体の集積が著明に低下した。正常部に対する虚血部のTc-AVの集積比は再環流30,90分、6時間、1日、3日、2週間後でそれぞれ7.36±2.95,6.34±2.24,4.65±1.93,3.27±0.92,1.84±0.55,1.65±0.31であった。 以上より、虚血再灌流直後よりアポプトーシスはmid myocardiumから始まり速やかに心外膜、内膜側へ拡大し、時間経過とともに終息方向へ向かうことが判明した。
|