研究課題/領域番号 |
14570847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 福井大学 (2004) 福井大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
木村 浩彦 福井大学, 医学部, 助教授 (10242596)
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研究分担者 |
越元 佳郎 福井大学, 医学部, 助手 (90311688)
植松 秀昌 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (00313768)
土田 龍郎 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (70303386)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 脳虚血 / MRS / NAA / Glutamine / Glutamate / CBF / スピンラベル / PET |
研究概要 |
脳組織に加えられた虚血状態、あるいは急性の虚血後も、徐々に組織に障害が進行することは理解されている。脳組織の障害の程度、組織の可逆性、その予後を予測することは脳梗塞の治療計画に極めて重要である。MRIの還流画像によれば、脳末梢組織の還流状態を直接描出することも可能であり、磁気共鳴分光法(MRS)は、直接脳組織の代謝状態をin vivo状態にて把握できる、有力なMRの一手法である。これらのMR手法を相補的に用い、虚血に伴う脳組織の障害を定量的に評価する方法の確立をめざした。動物実験による脳虚血の研究では、正常ratに比べ、MRSにてNAAの低下が2-3週間の経過でみられ、Glx(MRSのGlutamate、Glutamine領域)の上昇が、虚血後比較的早期の段階で確認できた。これらは、NAAが脳神経細胞に特異的に存在することから、虚血後の慢性の脳障害を反映すると考えられた。また、Gluがneurotransmitter代謝の主構成物質であり、虚血のため障害されたGlu、Glnの変化をきたしたと考えられる。したがって、脳虚血後の脳障害はかなりの長期の経過で生じること、MRSのGlxが障害の比較的早期の指標としての可能性が示唆された。臨床研究では、CASLによる非侵襲的定量的脳血流測定シーケンスを臨床用MR装置上で調整した。慢性閉塞性脳血管障害をもつ患者11人について、CASLによるCBFとCO2-PETによるCBFを比較した。すべての症例にて、優位な相関が得られた(r=0.71±0.07,P<0.001)。CASLを用いた定量的CBFは、臨床的にも利用可能であることがわかった。
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