研究課題/領域番号 |
14570853
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (20209399)
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研究分担者 |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
多田村 栄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303831)
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キーワード | 分枝脂肪酸 / Tc-99m / SPECT / ラット / 心機能 / 放射性医薬品 / 診断 |
研究概要 |
心筋におけるエネルギー産生系としての脂肪酸代謝は心筋がその機能を維持するために根元的な生化学的反応であり、診断対象組織の質的診断を目的とする核医学検査において、この心筋脂肪酸代謝機能評価は重要な診断目標である。事実、本邦においてもC-11-パルミチン酸を用いたPET診断、I-123-BMIPPを用いたSPECT診断が行われており、被験者の治療指針に対して有益な情報を与えている。しかしながら、心筋疾患は緊急を要する症例が多く、医薬品メーカーから供給されるI-123製剤や院内サイクロトロンを必要とするPET製剤では緊急性、利便性という観点から使用しづらく、ジェネレーターシステムにより容易に得られるTc-99mを用いて同様の診断が可能となることが強く望まれている。申請者らはこれまでにTc-99mとキレートを形成するMAMA骨格に種々の炭素鎖の長さを有する脂肪酸誘導体を合成し、そのTc標識体を用いて動物体内分布を比較検討したところ、炭素鎖15を有する長鎖脂肪酸(MAMA-HDA)が最も高い心筋への取り込みを示すことを見いだした。 さらに本年度は、細胞内でβ酸化の反応途中で酵素阻害反応を呈して代謝されない、いわゆるメタボリックトラッピング機能を有するTc-99m標識脂肪酸誘導体、βメチルヘプタデカノイックMAMA (MAMA-BMHDA)の開発を計画し、その合成法を確立することを目的として検討した。その結果、ピメリン酸を出発原料として、14ステップに及ぶ有機合成経路を施行し、所期の通りの構造物を得ることが出来た。さらにTc-99mを用いて、その放射化学的検討を行い、直鎖脂肪酸の場合と同様に、放射化学的純度97%以上で標識体を得ることが出来た。ついで、マウスにおける体内動態を試験的に検討したところ、投与初期の高い取り込みは観察されたが、その後のリテンションは認められなかった。今後、さらにラット実験系での取り込み実験を行い、本化合物のデザインの妥当性を評価したい。また、動物用PET装置を用いてDahl心筋症モデルにおけるエネルギー代謝に関する検討を行い、心疾患の核医学的手法による診断の有用性を見出した。
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