研究課題/領域番号 |
14570854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 哲也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
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研究分担者 |
菅 幹生 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (00294281)
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
水田 忍 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40314265)
天野 晃 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60252491)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | MR Elastography / 高速MRI撮影法 / 位相コントラスト法 / 外部振動装置 / 前駆パルス |
研究概要 |
MR Elastography(MRE)法は、生体表面に与えた数十から数百Hzの微細な振動が波として深部組織へ伝播する様子をMRIにて画像化し、振動波長が弾性率に応じて変化することを利用し弾性率を定量化する。組織弾性は腫瘍などの様々な疾患で変化するため組織性状を表す指標として診断に応用できるが、従来は触診による定性的な評価に限定され、MRE法による定量化は組織の僅かな変化を鑑別できる新しい診断法として注目されている。通常のMRE法は画像収集に数分以上の時間を要するため、呼吸などの運動が問題とならない四肢や乳腺などに適用範囲が限定されている。そこで、本研究では呼吸停止下で撮影が可能な高速MRE法の開発を目的に、独自に考案した位相コントラストMRI撮影法の高速化技術をMREに応用する試みを進めた。また、多様な臓器・組織が混在する腹部では、その表面で振動波が反射あるいは屈折するため、得られた画像からの波長解析はきわめて複雑になる。この様な問題点を解決するため、MRE画像における波長解析が容易で、しかも深部組織まで効率よく伝播するような振動を発生させる外部振動装置の開発も並行して進めた。 高速MRE撮影パルスシーケンスの開発では、振動波による生体深部の微細な運動をMRI信号の位相変化に変換する傾斜磁場をpreparation pulseとして高速MRI撮影法に実装し、呼吸停止が可能な時間内のMRE撮影を実現した。一方、外部振動装置については、体表面との接触部の形状に着目して従来のものとは根本的に異なる設計を行い、これまでの振動装置のように球面状あるいは曲面状ではなく平面状の振動波を発生させるシステムを開発して特許出願を行った。平面波が体内に伝播すると、MRE画像から振動波の波長を解析する際に、広範囲にわたって一括して処理を行うことができ、様々な部位に対する弾性率定量データの収集効率が著しく向上した。
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