研究課題
基盤研究(C)
MRIを用いて心筋血流を定量化するためには、造影剤投与後約60秒間の動態画像の撮像が必要となる。呼吸停止した状態ですべてのデータを収集できない難点があり、心筋局所及び動脈入力である心内腔の信号強度を時間系列をおってすべて得るために呼吸性移動を補正するプログラムを開発してきた。それを用いて、呼吸性移動が激しくなければ比較的良好に関心領域の設定を行うことが可能となっている。今年度は、これを用いてPETから得られる心筋血流の絶対値と、MRIから得られる絶対値との比較検討をおこなった。MRIから心筋血流を定量化するために水のPETでもちいられていると同じモデルを用いて解析をおこなった。その結果、MRIから得られる心筋血流の絶対値は予想以上に変動が大きく、臨床的に十分に満足いくものといいがたいのが現状である。その原因をいろいろ検証してきた。造影剤の注入量や注入速度とも関連があるが、Inputである動脈の入力を求めるため、信号強度を濃度に変換する必要がある。そのさい生じる微妙な誤差が、血流の絶対値に変換した際には大きな誤差要因となることが挙げられる。特に血管拡張薬によって心筋血流を増加させた際に特に誤差は増幅される傾向にある。また、関心領域を自動的に取る際に生ずるずれによる信号の微妙なエラーも心筋血流の絶対値に変換した際の大きな誤差になることが考えられ、実際シミュレーションでも確認された。さらに心筋への造影剤のextraction fractionは、血流量に依存して変動するはずであるが、人間の心筋においてその十分なデータもないことも問題点として依然残っている。これらの問題点を克服すべく、撮像法の工夫、モデルの洗練化、解析プログラムの精度向上に努力しているところである。
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