研究課題/領域番号 |
14570861
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福本 哲夫 山口大学, 医学部, 教授 (00040171)
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研究分担者 |
江部 和勇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90213579)
徳田 信子 山口大学, 医学部, 助手 (70227578)
澤田 知夫 山口大学, 医学部, 講師 (90187295)
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キーワード | ラット / 胸腺 / 放射線照射 / 再生 / 胸腺上皮細胞 / p63 / サイトカイン / 免疫組織化学 |
研究概要 |
放射線照射後に再生してくる胸腺における再生の機序を形態学的、あるいは各種のサイトカインのメッセージの変化をくわしく調べることによって明らかにすることを研究の目的としている。 本年度の研究実施計画では次の(1)〜(3)の3点に重点を置くことを計画したのでそれぞれについて実績を述べる。 (1)胸腺上皮細胞の免疫組織化学的解析-p63抗体を用いて DA系9週令の雌ラットに6Gyまたは8Gyの放射線を照射した場合にみられる変化を経時的に解析した。p63はp53遺伝子のホモローグとして見つけられた遺伝子で細胞の増殖分化などに関わると考えられている。p63分子に対する抗体を用いて免疫染色をすると胸腺では胸腺上皮細胞が染色されることが報告されているが、我々の実験結果では特に未熟な胸腺上皮細胞に特異的と思われた。6Gyと8Gyの照射回復時にp63陽性の細胞が増えていることが観察され、胸腺上皮細胞の再生が起こっていることが示唆された。 (2)胸腺でのサイトカインメッセージの発現の変化 すでに6Gy照射における発現の変化を解析し報告している。8Gy照射後の回復時における各種サイトカインメッセージの発現の変化について解析を完了した。昨年度の報告書でも、一部のデータを国際学会で発表したことを報告したが、今回完成したデータを国際学会誌に投稿した。 (3)初代培養胸腺上皮細胞に対する放射線の影響 ラットの胸腺上皮細胞の初代培養細胞を作製した。6Gyと8Gyを照射した培養胸腺上皮細胞について、未熟な胸腺細胞との共培養を行い、胸腺細胞の増殖・分化についての影響を解析している。現在までのところ8Gy照射後の方に胸腺細胞の増殖・分化支持能力の低下の強いことが観察されているが、更に詳細な解析を必要としている。
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