研究課題/領域番号 |
14570870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 教授 (60239548)
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研究分担者 |
戸板 孝文 琉球大学, 医学部, 助教授 (30237036)
小川 和彦 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (40253984)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 食道癌 / 胃癌 / 食道胃移行部 / 3DCT / MDCT / 平滑筋腫 |
研究概要 |
食道胃接合部(ECJ)に存在する腫瘍の形態診断は、通常はECJ部が収縮した状態にあるため、従来のCT検査法では困難であった。我々は食道の伸展法としての食道内持続空気注入法とマルチスライスCTによる仮想食道造影、仮想内視鏡像といった三次元画像診断を用いて食道胃接合部(ECJ)腫瘍診断の有用性を評価することが本研究の目的であった。 対象は造影検査、内視鏡検査にてECJに存在すると診断された腫瘍12例.胃癌:5例、食道胃境界部癌:4例、食道癌:4例、平滑筋腫:2例である。 食道内持続空気注入CT撮像法は、5-12Fr.チューブを経鼻的に食道下部に留置。ブスコパン静注(あるいは筋注).非イオン性造影剤300(370)mgI/mL 100mLを3mL/secで静注、scan delay 40sec、collimation1.25(1)、pitch3(5.5)、reconstruction0.6mm(0.5).予め400mLの空気を注入後、食道内チューブより10mL/secで空気を持続的に注入して撮影。伸展性は3段階で評価。食道、ECJ、胃で内腔が確認された症例をexcellent ; ECJ内でのみ内腔が確認されない症例はgood;食道あるいは胃の内腔が確認されない症例をpoorとした。さらに、病変の描出能、ECJを越えた進展の有無をMPR、仮想内視鏡像、仮想造影像でそれぞれ評価した。 研究結果は内腔の伸展性は、excellent6例(50%),good6例(50%)でpoorは0例であった。全12例でMPR、仮想内視鏡、仮想消化管造影像のいずれでも腫瘍が同定された(径6mm病変を含む)。2cm以下の小病変2例を除く10例で、ECJを超えた腫瘍の進展がMPRおよび仮想造影像で描出可能であった。食道胃接合部の伸展法としての食道内持続空気注入法と、三次元CT画像を用いることによる食道胃接合部病変の描出能を向上させる可能性が示唆された。
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