研究課題/領域番号 |
14570871
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
|
研究分担者 |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
大内 敦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70168863)
永倉 久泰 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | DNA-PK活性 / 染色体不安定性 / 発癌 / cancer risk / peripheral blood lymphocytes |
研究概要 |
「患者のリンパ細胞のDNA-PK(DNA依存性プロテインキナーゼ)活性と染色体不安定」 染色体不安定性の存在は、様々な臓器の発癌において重要な役目を担っている。DNAの2重鎖切断の修復系は、染色体異常の発生を抑制することにより、遺伝的安定性の保持に関わっている。DNA-PKはDNAの2重鎖切断の修復に主要な役割を果たしている。そこで、本研究では、癌患者(乳癌、頭頚部癌、子宮癌、食道癌、悪性リンパ腫)と健常者でDNA-PK活性に差が見られるかどうか、またDNA-PK活性と染色体不安定性に関係がみられるかどうかを検討した。 健常者の末梢血中のリンパ細胞のDNA-PK活性値は、15.84±4.87pmolで、癌患者のDNA-PK活性値は、12.28±5.10pmolで、有意差(p=0.012)をもって、癌患者が低値であった。年齢や喫煙歴は、DNA-PK活性と相関がみられなかった。Western blotで解析したが、DNA-PK活性値とDNA-PKの構成サブユニットであるDNA-PKcs、ku70、ku86の発現に相関はみられなかった。 DNA-PK活性値と染色体異常の自然発生頻度は、相関がみられた。二動原体(dicentric)は、DNA-PK活性値が16.32pmol以上では発生がみられなかった。excessfragmentの発生頻度は、DNA-PK活性値と逆相関がみられた。 以上よりDNA-PK活性値は、染色体不安定性と相関がみられると結論できる。末梢血中のリンパ細胞のDNA-PK活性の低値は、様々な癌のリスクと関連がみられ、よって末梢血中のリンパ細胞のDNA-PK活性の低値は、腫瘍マーカーや癌罹患性の指標として、使用可能であると思われる。
|