線量分布測定のために開発されたTLシートを用いて、血管内照射用線源近傍の2次元線量分布測定を行った。また、線源の最適配列の決定システムを構築した。 1、血管内照射用線源近傍の線量分布測定 米国で開発された血管内照射用線源であるγ線源Ir-192(Cordis)とβ線源Sr-90(Novoste)の線源近傍の線量分布測定を行い、これらの線源を比較した。その結果、線源が0.5mmずれると、線源から2mmの点(参照点)でIr-192線源の線量変化は25%であったが、Sr-90線源の線量変化は50%と2倍大きくなった。また、参照点に同一線量を照射した場合、線源からの距離に関してSr-90は線量の減衰が大きく、Ir-192に比べ線源中心から10mmで約1/10となった。臨床と同一の照射時間で実験を行うことができ、線源挿入による線量への影響も調べることができた。 2、血管内照射線源の位置配列の最適化ためのシステム構築 血管内治療用Ir-192seedsの配列の最適デサインのため、Linux上で動作するGAのプログラムを作製した。日本原子力研究所でつくられた血管内照射用Ir-192seedsに対して最適を行った結果、線源端の間隔を1/3縮めることにより、血管に沿った線量分布の均一化が得られた。 また、複数台のノート型パソコンをネットワーク化し、パラレル・コンピューティングシステムを構築し、血管内照射のためのIr-192 seed1個の滞留時間と滞留位置の最適化を行った。ほぼコンピュータ数に比例した計算速度が得られ、コンピュータの台数の増加により、高速化が可能になることを実証した。
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