研究概要 |
MRI 本年度MRI装置の傾斜磁場強度の増強がなされ、今まで以上の薄いスライスでのデータ取得、空間分解能の向上が得られた。これに最近開発されたpararell imaging法、coherent steady state GRE imaging法などを併用する事で撮像時間も極めて短縮化され、息止め下の非造影3D冠動脈MRAの臨床応用が可能となった。血管撮影との比較をおこなった15例75分枝ではSensitivity 79%, Specificty 89%, Accuracy 87%であった。これは従来の30分かかった撮像法に比較すると低い一致率であるが、心筋Perfusion study、Delayed enhancement study, Wall motion studyを組み合わせてたいわゆるone stop shoppingと呼ばれるcomprehensive cardiac examinationの一環として施行するには実用的な成績と評価できた。これらを含めて、似鳥がHarvaard Univ. MRI Seminar 2003においてCoronary MRA; Japanese Perspectiveという題名で、日本における冠動脈MRA研究の現状を講演した。 MD-CT モデルによる実験を元に、冠動脈病変を有する臨床例に多列検出器高速CT(MD-CT)を施行し,画像スライス厚1mmと2mmでの正常血管,狭窄病変の描出能について検討した.対象は臨床41例、235セグメント.通常血管撮影との比較でMD-CTのSensitivity, Specificity, Accuracyは2mmスライス厚群てそれぞれ56.0%, 78.9%, 75.6%であり1mmスライス厚群で71.4%, 86.4%, 83.8%であった。 1mmスライス厚撮影群は2mmスライス厚撮影群より正常血管,狭窄病変ともに高い描出能を示し,より薄いスライス厚での診断能の向上が期待できた.以上の成果は高橋修司が日医放会誌に発表した。
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