1.3次元の物体に対する投影データ計算プログラムの作成 対象とする臓器が心筋であり、シミュレーションにおいては任意の3次元的方向から投影データを取る必要があるため、数値ファントムとしてノースカロライナ大学で開発された心臓ファントム(MCATファントム)をもちいたシミュレーションシステムを構築した。また、γ線の入射方向を規定するコリメータとして平行多孔型のコリメータおよびコーンビーム型コリメータを想定し、任意角度から投影データを計算できるようにした。画像再構成のマトリックスとしては128×128×128、1方向の投影データとしては128×128の空間分解能を持つように設計した。 2.投影データの最適選択法の考案 上記で計算された投影データを用いて画像再構成を行う際に、どのような投影データを選択すれば再構成画像の画質が向上するかを検討した。このためには、再構成画像の画質と使用した投影データとを関係づける評価基準が必要となり、2次元の投影データのパワースペクトルを基準として、投影データの独立性などを考慮したものも検討した。また、この投影データの最適選択法では、(a)いかに少ない数の投影データで高い精度の再構成画像を得ることができるか、(b)統計雑音が混入した場合はどうか、(c)γ線の吸収に対して、どの程度影響を受けるか、(d)γ線の散乱に対して、どの程度影響を受けるか、(e)肝臓などの臓器はどのように影響を与えるか、等の点についての考察を行い、再構成画像の画質と投影データの選択条件を詳細に調べた。
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